今回は、エイクエントのアメリカ本社から、Den Mondejar(Diversity Hiring Specialist)とGreg Ceneviva(Practice Director)による、2023年のサラリーガイド、そして給与や働き方のトレンドなどについてのトークセッションの様子をお届けします!
Resignation(転職)とLayoff(解雇)トレンドが起きた1年
Den: 今日はサラリー(給与)についての話ですが、最初にもらった給与について覚えていますか?
Greg: 最初は広告業界で働いていたのですが、確か$30,000くらいだったと思います。卒業直前で決まった仕事だったので、仕事が見つかってすごく嬉しかったのを覚えています。当時は、給与額について学校のカウンセラーや友人とは少し話しはしたものの、これが適正な給与額なのか、他の人がどれくらい稼いでいるかは全然知りませんでした。
Den: タレント(求職者)側から見て、2022年を振り返ってみてどうでしたか?
Greg: そうですね、前半はThe Great Resignation(大退職時代)が注目されたり、より良い給与や環境を求めて職を変える人が増えました。実際にクリエイティブな人材を採用する企業ニーズも多く、需要と供給がマッチしていたように思います。
2022年後半になって、景気の悪化、そして特にTech業界の大手でレイオフがあったことで、「今辞めて本当にもっと良いチャンスがあるだろうか」という自信レベルは全体的に下がったように思います。
それでも2020年に始まったリモートやハイブリッドへの要求は変わらず高いです。あとは採用企業側次第で、「通勤してくれる人を選ぶ」のか、「世界中どこにいても良いから、優秀な人材が欲しい」のか。
Den: 採用側も、スタッフをオフィスに戻させるのか、リモートを続けるのか、ハイブリッドの働き方を設定するのか、悩まされている企業も多いようです。
そして、多くの求職者がレイオフのニュースなどをみて転職をためらったり不安になったりし始めている現状がある一方で、ある統計では”求職者1人あたり2つの求人がある”とあります。実際転職活動をしていると、「何十社も応募してるのに、そんなふうには思えない」と感じる方もいるかもしれません。
給与上昇率がインフレ率に追いついていない
Den: さて、給与の透明性は大きなトピックとなっていますが、エイクエントのサラリーガイドは何がスペシャルなのか教えてくれますか?
Greg: もちろん。このサラリーガイドは、90,000以上のエイクエントのタレントの皆さんから集めた、実際のリアルタイムの給与額です。今クリエイティブ業界で働く人たちが実際にどの額を稼いでいるのかリアルタイムに見れる、とても価値のあるガイドになりました。
Den: ありがとうございます。ところで今避けられないトピックは、インフレです。今不景気の真っ只中なのか、これからもっと悪くなるのか。「卵をダースで買えるなら、あなたはトップ5%」なんて指標が出るくらい、物価上昇が話題です。
Greg: 実際、給与の上がり率はインフレのスピードに追いついていません。2022年の全体の給与上昇率は1.1%アップだったのに対して、物価上昇率は7.7%(US)です。
Den: 転職して給与が上がっても、実際の購買力は下がっている、ということが起きますね。
Greg: はい。より良い給与のために都市に引っ越しても、その分物価が高いことを考えると、購買力が上がっているかまで考えないとわからないですよね。
ですが、サラリーガイドを見てみると、インフレよりも給与が上昇している職種もあります。例えばSEOマネージャー14%、データアナリスト9%, プロダクトデザイナー7%、 UX関連の職種も全体的に高いです。こういった職種は需要が高く、企業も安く雇うことのリスクを理解しているようです。
私たちは給与の公平性・透明性に取り組みます
Den: もう一つのシフトは、企業側の「Diversity, Equity, Inclusion」への深い理解とコミットメントです。男女・民族間での給与ギャップはまだ存在しています。
Greg: 全体的には、以前よりも求職者が給与について自信を持って企業に求められるようになっているので、今回のサラリーガイドのように、給与がより透明になっていけば、差別なく全員が公平に自信を持ってどのくらいの給与をもらうべきなのか、不公平に低い給与で同意しないようになると信じています。
Den: その通りですよね。2022年、UX Researcher有色人種の給与額は白人に対して2.25%低かったことがわかっています。企業側にとっても、自社の公平性を見直すのにこういった調査は役立てられます。
これからのマーケットとスキルアップ
Den: 最後に、今広がっている職種について。AIやMetaverseについてよく話題になっていますが、今マーケットで必要とされている職種やスキルは何ですか?
Greg: Metaverseは確実にきていますよね。このバーチャル世界を作り出すためのスキルは熱いです。今まだ3Dをやっていないクリエイターはスキルアップを目指す機会です。例えば、ソーシャルメディアマネージャーからコミュニティマネージャー、2Dから3Dデザイナーへの転身は、給与ポテンシャルが最大$50,000も上がります。
Den: Wow! $50,000も給与が上がるなら、スキルアップすることにNoなんて言えませんね! 今までのスキルを活かしてさらにスキルも給与もアップしより広がりのある仕事や業界にシフトするのに、絶好の時ですね。