ソフトウェア開発から広まり、マーケティング・経営・商品開発など、様々な分野で活用されている「アジャイル」手法。

マーケターの皆さんも「アジャイル」という言葉を聞いたことのある方は多いかと思います。ただ、実践できているかは自信のない方もいるのではないでしょうか?この記事を読んでアジャイルの意味や目的、他の手法との違い、そして基本の考え方を理解し、ぜひこれからのマーケティング活動に活かしてくださいね。

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アジャイルマーケティングとは

アジャイルとは

アジャイル(Agile)とは、直訳すると「素早い」「機敏な「頭の回転の早い」といった意味です。

2000年代に、アジャイルソフトウェア開発というシステムやソフトウェア開発におけるプロジェクト開発手法が広まりました。この手法では、あらかじめ全行程の計画を立てて、その計画に沿って進める従来の手法とは異なり、小さな単位で設計〜実装〜テストを繰り返しながら開発を進めるため、従来の開発手法に比べて開発期間やコストが短縮されることから、アジャイル(素早い)と呼ばれ、経営や商品開発など様々な分野でも活用されるようになりました。

このアジャイル開発にインスパイアされて生まれたのがアジャイルマーケティングです。

スピードの改善、柔軟性、透明性、マーケット変化への適切なアプローチを目的としています。

アジャイルマーケティング宣言

アジャイルマーケティングの原則は、2012年に発表された「アジャイルマーケティング宣言(The Agile Marketing Manifesto)」でまとめられています。

Validated learning over opinions and conventions
意見や慣習よりも検証された学びを
Customer focused collaboration over silos and hierarchy
部門間のサイロ(障壁)やヒエラルキーよりも顧客ファーストで協調を
Adaptive and iterative campaigns over Big-Bang campaigns
大規模なキャンペーンよりも反復型のキャンペーンを
The process of customer discovery over static prediction
机上の予測よりも顧客発見のためのプロセスを
Responding to change over following a plan
計画に従うことよりも変化への対応を
Many small experiments over a few large bets
大規模な掛けよりもたくさんの小さな経験を

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アジャイルマーケティング手法

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ーTHE AGILE MARKETING METHOD, ELECTRONIC PROPAGANDA SOCIETY

顧客や市場のニーズの変化や流動性の高い今の時代により合っているとされるアジャイル手法。コストや時間をかけてじっくり計画を立て、計画通りに進めていく従来の手法や、業務効率のためのPDCAとはどう違うのかを比較していきます。

アジャイルとウォーターフォール

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ー Agile vs Waterfall: Pros and Cons, Differences and Similarities, GanttPRO

あなたが注文住宅を建てるとしましょう。その際は最初に図面を見ながら計画を立て、基礎を建て、壁を作り、それから内部の順に建てていきますよね。最初にしっかりとした計画があるから、注文した通りの完璧なお家が完成します。一方、建設中もしくは完成してからキッチンの間取りを変更したい、となったら、計画からやり直さなければならずコストや時間が大きくかかってしまいます。

このような方法は、ウォーターフォール型と呼ばれています。ウォーターフォール開発とは、最初に全体の機能設計・計画を決定し、それから設計、開発、実装、テスト、そして最後にリリースの順に、計画に従って進めていく手法です。水が上から下に落ちていくようなイメージからその名前がつけられました。

ウォーターフォール型では、「最初に立てられた設計・計画が正しい」という前提で進められます。そのため、リリース時には当初の予定に忠実に沿ったプロダクトが完成し、またその時点で開発は完了(プロジェクトの終了)となります。

計画に従うことで思い通りのプロダクト開発ができる一方で、途中で計画を変更することが難しかったり、完成までに時間がかかるデメリットがあります。

一方のアジャイル型では、このように最初に全行程の計画を立ててそれに従うのではなく、小さなサイクルを何度も回し、プロジェクトや顧客ニーズの変化や反応を見ながら柔軟に進めます。当初の計画通りに進むこと、また完成することはほぼなくなる代わりに、顧客やクライアントにとっての価値を最大化することを目的としています。

先ほどの注文住宅の例に戻ると、建設中に進捗状況などを確認しながら進められるので、途中でやっぱりアイランドキッチンが欲しい、となった場合でも完成後に言われるよりも変更しやすいのです。都度フィードバックを聞きながら進めることで、より「今」のあなた(顧客)のニーズに答えたプロダクトを作ることが可能になります。

スクラム方式

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スクラムとスプリント
ー Why Fixed Length Sprints in Scrum?, Visual Paradigm

スクラム方式とは、アジャイル開発を進めるための有名なフレームワークのことを指します。スクラムとはラグビーで肩を組んでチーム一丸となってぶつかり合うフォーメーションで、チームでのコミュニケーションを重視しているという特徴があります。

スクラムは、決められたスパンで行う「スプリント」を繰り返します。 スプリントの長さは、リリースまでにかけられる時間と作業量とのバランスをとって調整します。開発の場合は通常約2-4週間で設定されることが多いですが、マーケティングの場合はもっと短い期間になることもあります。

スプリントは、スクラムを使用する際の基本的な作業単位であり、スクラムを使用する際はすべてスプリントに分割されます。

各スプリントの実行中は、メンバー間でのコニュニケーションが重要となるため、デイリースクラムと呼ばれるミーティングで毎日全員がコミュニケーションをとり、スピーディに共有されます。

このミーティングでは各メンバーがしたことや課題を共有します。

・今日(または昨日)したこと
・今日(または明日)すること
・スプリントのゴールを達成するための問題点・課題

PDCAとは違う?

各スプリントは、高速なPDCAで言い換えられることがよくあります。

Plan(計画)は、ビジョンの共有やスプリントの計画
Do(実行)は、スプリントの実行やデイリースクラム
Check(評価)は、スプリントの効果検証・分析
Act(行動)は、スプリントの分析・プロセス改善

スプリントもPDCAサイクルも、顧客(クライアント)と確認しながら、そのフィードバックをまた次のスプリントやサイクルに活かしていくやり方で、チームの質は継続的な改善を通じて改善され続けます。 

しかし、PDCAサイクルはあらかじめ計画をしっかり立てて、その計画通りに実行する、という点でVUCA時代に合ったフレキシブルな対応ができない、またこのビジネス手法からはオープンイノベーションが生まれにくいという懸念があります。

アジャイルマーケティングでは、必ずしもPlanから始める訳ではなくDoから始める、DoとCheckを同時進行する、またはActが毎日行われるなど、よりフレキシブルであることが求められ、アジャイルマーケティング=PDCAサイクルを回す、という解釈には注意が必要です。

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実践するための基本原則

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アジャイルマーケティングを成功させるために必要なポイントをここでは4つご紹介します。

顧客ファースト

まず顧客に価値を提供することが第1の目的です。その時に顧客が必要としているコンテンツを提供するべく、顧客を理解しニーズに答え続けることに注力します。

迅速な行動と反復

まずは小さくローンチさせ、顧客の反応に応じてコンテンツやキャンペーン内容を改善します。このプロセスを迅速に繰り返すことで実際の顧客ニーズをキャッチでき、変化の早いマーケットの中で「まずはスタートさせてから実際の顧客の反応をみて、その後テストとレビューを繰り返しながら反映していく」のがアジャイルマーケティングです

旧体制からの脱却

アジャイルマーケティング宣言の「 Customer focused collaboration over silos and hierarchy 部門間のサイロ(障壁)やヒエラルキーよりも顧客第1のコラボレーションを」でもありましたが、サイロ(縦割りの階層)では柔軟に適応できる組織にはなりません。アジャイルのアプローチを支援するためにも、チーム間、そしてチームを超えて話し合えるようなクロスファンクショナルチームを作りましょう。

オープンイノベーション

新しいアイディアは社内だけで生まれるものではありません。外部からのメンバーを受け入れたり、積極的に会社外のコミュニティに参加するなどして、新しい視点を取り入れましょう。

まとめ

マーケターがもっと輝くアジャイル手法

デジタルマーケティングの世界では、新しい技術や手法が次から次へと出てきます。それらを自社のサービス・顧客・マーケットに合っているかを判断・実行するのが私たちマーケターです。

100点満点のマーケティングキャンペーンを追い求めるよりも、ユーザー(そして社会)にとって価値のあることを追っていく。そのためにアジャイルマーケティングはきっと役に立てると思います。

たとえうまくうかなくても、この結果を元にまた数週間後、あるいは数日後には新しいチャレンジができるのだから。

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