リモートワークでのマネジメントについて悩むマネージャーは多いものです。リモートワークでは、コミュニケーション不足や部下の進捗状況が分かりにくいなどの課題が発生します。本記事では、これら課題の対処法などノウハウを紹介します。
リモートワークでマネジメントを成功させるポイント
- コミュニケーションをとる
- 目標を明確化し部下と共有する
- 適切に進捗管理する
リモートワークで生じるマネジメントの課題
→ 1.コミュニケーションが不足しやすい
→ 2.部下の進捗状況が分かりにくい
→ 3.人事評価と労務管理が難しい
リモートワークのマネジメントを成功させる6つの解決策
→ 1.コミュニケーションは定期的に取る
→ 2.クリアなコミュニケーション
→ 3.チームメンバーのケア
→ 4.進捗状況を可視化する
→ 5.評価基準は時間でなく成果
→ 6.”ワーク”と”ホーム”を使い分ける
リモートワークによりマネジメントは変わった
2020年の新型コロナウイルス感染症の影響や緊急事態宣言の自粛、DX推進によりテレワーク導入企業が増えました。それにより、今までと働き方がガラリと変わりました。
上司やマネージャーは、在宅で働く環境整備と確立、家事・育児との両立などに取り組むだけでなく、社員の不安を理解しサポートしなくてはいけません。
マネジメント層は、どのようにしたら今まで通りチームをリードしていけるでしょうか?どのようにサポートすれば、チームメンバーのモチベーション減少が防げるでしょうか?チームメンバーが正しい方向に進み、誰かを置いてきぼりにしたりしないようにするには、どのような行動をすればよいでしょうか?どうやってこんなにたくさんの新しい課題を解消して、自分のケアもできるでしょうか?
働き方の変化によって生まれたこれらの疑問と問題の要因、有効な課題解決策について解説します。
リモートワークで生じるマネジメントの課題
リモートワークで起こりやすい課題を3つ紹介します。
1.コミュニケーションが不足しやすい
リモートワークはメンバーの日常的な対話や情報共有が行われにくいため、コミュニケーションが不足しやすいです。
オフィスに出社している場合、対面で雑談する機会がありますが、リモート環境では、社内にいるときのようなやりとりは難しくなります。マネージャーと部下との間柄だけでなく、メンバー間のコミュニケーションも不足しやすい傾向にあります。
2.部下の進捗状況が分かりにくい
オフィスでは部下が目の前で仕事をしているため仕事内容や進め方も確認できます。一方、リモートワークでは部下の業務プロセスや実施状況が不透明になりがちです。
進捗報告やタスク管理ツールの機能を活用することによって、ある程度は仕事の進み具合が把握できますが、ツールに頼るだけでは詳細までは分かりかねてしまいます。
3.人事評価と労務管理が難しい
職場で働いている場合は、日頃から部下の働きぶりが確認できるため、実績に基づいた人事評価が可能です。勤怠管理などの労務管理も難しくありません。しかし、リモートワークでは成果が見えにくいため、正当に評価することが難しくなる場合もあります。
チームメンバーにとっても、お互いの実績を目の当たりにすることができないため、人事評価に納得感を得にくいケースもあります。
リモートワークの3大メリット
リモートワークはデメリットだけでなくメリットも大きいものです。リモートワークのメリットや特徴を3つ紹介します。
- 通勤時間がない
- オンラインでさまざまな業務に従事できる
- 会社の枠を超えて働ける
リモートワークは通勤時間がないため、これまで通勤にかかっていた時間をプライベートやスキルアップなどの勉強に使うことができます。
また、リモートワークの浸透によって、オンラインでさまざまな業務が行えることも顕在化しました。Zoomなどのコミュニケーションツールを利用して提案営業やコンサルタントを行うことが可能です。会社や組織の枠を超えた働き方がしやすくなったため、ビジネスの幅が広がったことも魅力です。
リモートワークのマネジメントを成功させる6つの解決策
マネージャーがリモートワークのマネジメントを成功させるためには、課題の解決が必須です。6つの課題解決策を解説します。
1.コミュニケーションは定期的に取る
「去る者日々に疎し(会っていない人のことは、忘れてしまう)」になっていませんか?それは好ましくありません。
マネージャーにとって、目標設定とコミュニケーションしやすい仕組みをつくることは重要性の高い任務です。毎週のミーティングを継続し、チームで仕事をしている意識を浸透させましょう。
チームワークの低下を防ぐために、ビデオ会議で顔を見ながら話し、場所は離れていても気持ち的な距離を感じさせないことが非常に大切です。部下の仕事に対するフィードバックを適時行えば人材育成にもつながります。
AquentのUSオフィスでは、「コーヒーチェックイン」で毎日顔を合わせます。みんなで日常生活をシェアし、必要性に応じて悩み事を相談したり、アドバイスをしたりする時間です。
目的は、「離れていても、みんなで繋がり、コミュニケーションを取り続け、笑い、話し合う」ことです。また、毎週2つのビデオ会議があり、こちらではプロジェクトについて話し合っています。
2.クリアなコミュニケーション
物理的な距離が原因で、無関心になったり注意力が散漫になったりすることがあります。分かりにくい言葉は具体的な指示に言い換えるようにしましょう。また、全員がメッセージを聞いているか、実践できているかなどを確認することも重要です。
ビジネスチャットやオンライン会議システムなどの管理者は参加メンバー全員の反応を正確に読み取るのが難しくなります。特に、複数人いるときは若手社員や新入社員を問わずメンバー全員同時に注意を払えないため、表情や様子を読み取るのがさらに難しくなります。
それは、Webカメラをつけている場合でも同じです。部下の心情をくみ取るために、1on1ミーティングなどの実施率を上げることも必要です。
3.チームメンバーのケア
生活面と仕事面の両方で、人それぞれに悩んでいることがあります。テレワークになり、自分が成長できる仕事を振ってもらえるか不安になっている部下がいる可能性もあります。会議を始める時に、悩み事や将来のビジョンをシェアする機会をとれば会話の良いきっかけになるでしょう。
フォローし合い、チームメンバーによりオープンに話してもらうための機会を提供するベストな方法です。雑談の時間を求めていないように見える人がいても、少しでも話しやすくなるよう、相手の状態に合わせるようにしてみましょう。
連絡を取りたいタイミングや話したい頻度は、メンバーによって大きく違います。毎日メール以外で連絡をとって話したい人もいるかもしれませんが、あまりにも頻繁に連絡している場合、監視されているという意味に捉える人もいるかもしれません。時間をかけて各人のバランスを調査し把握しましょう。
4.進捗状況を可視化する
進捗状況を見える化することで、効果的なマネジメントが行え、チームワークの向上にも期待できます。
進捗状況の可視化によって、マネージャーは部下の仕事の進行状況が把握しやすくなります。そのため、問題が発生したとしても早い段階で気付きやすいです。部下の仕事の進捗に遅れがありそうなら、タスクを再分配して業務効率化のための対策がとれます。
くわえて、チームメンバーがそれぞれの業務の進捗状況を把握しやすくなるため、連携も取りやすいです。チームワークの向上につながり、メンバー同士の信頼関係の構築にもつながります。
企業のなかには、従業員の行動データ活用によってコミュニケーション頻度や抱えている業務量などを可視化し、適切な対応につなげているところもあります。
5.評価基準は時間でなく成果
部下への評価基準は、働いた時間でなく成果に焦点を当てるようにしましょう。リモートワークでは、働いた時間だけで評価することが難しいからです。
リモートワークは、チームメンバーそれぞれが異なる時間帯や環境で働く場合もあります。マネージャーは部下が質の高い成果物を提出できるよう支援し、労働時間より成果物で判断するようにします。時間より成果で評価することで、人事評価制度も透明化しやすいです。
部下はマネジメント層から高い評価を受けるために、意欲的に働くことが考えられます。その結果、自律型人材の育成につなげられます。
自律して働く人材を増やしチームの生産性向上につなげるため、経営者やHR(人事部)と協力して従来の人事評価制度の見直しや変更を検討するほうがいいケースもあります。
6.”ワーク”と”ホーム”を使い分ける
気の利くマネージャーであることは大切ですが、1日24時間勤務することはよくありません。今までは、オフィスから自宅への通勤時間で、”ワーク”から”ホーム”の状態に比較的簡単に切り替わり、家ではリラックスできていた方もいるのではないでしょうか。
メンバーのことを思いやるのと同じように、あなた自身、心身のバランスを大事にしてください。できないことは「いいえ」と言う方法、自分をチャージして休憩を取る方法を身につけるよう改革することで、仕事の時間には全力で気持ちを注ぐことが実現できるのです。
リモートワーク時代のマネジメント手法は、基本的に信頼関係ありきです。またチームメンバーだけでなく自分自身も信頼することが重要です。今まであなたがチームをマネジメントしてきた仕方とは違い、戸惑うかもしれませんが、決してあなた1人じゃありません。
チームによって、うまくいくものとうまくいかないものがあります。成功事例や資料などを参考にして休み休み、柔軟にやっていきましょう。今まで以上に良い働き方が見つけられるかもしれません。これからの働き方がみんなにとってより良くなるように、試行錯誤する機会だと思って、一緒に推進していきましょう。
リモートワークのマネジメントはポイントをおさえよう
リモートワークのマネジメントはコミュニケーション不足や進捗状況がつかみにくくなることが考えられます。まとめると、マネージャーはコミュニケーション活性化のための工夫をし、進捗状況を可視化させて状況を改善させましょう。
リモートワークがスタンダードな働き方になりつつある企業の管理職のなかには、社員研修やテレワークマネジメント研修を受けるなどしてマネジメントスキルを高めている方もいます。
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