「派遣」という働き方にはワークライフバランスなどの柔軟性や、多様な経験を積める可能性といった多くのメリットがあります。
しかし、派遣社員として働いている方の中には、正社員との違いや将来への不安から劣等感を抱いている方も少なくありません。
また、自分のスキルやキャリアが発展しないのではないかという懸念を持つ方もいらっしゃいます。
今回は、私たち転職エージェントが考える派遣社員の働き方について、やりがいや自己成長を実感するための具体的な方法や事例をご紹介します。
自らの価値を見出し、より充実したキャリアを築くためのステップを一緒に探っていきましょう。
【目次】
派遣社員が抱える悩みとは
企業側の抱えている問題
派遣社員のキャリアアップの方法とは
・自らの可能性を狭めない
・ある派遣社員の事例
・正社員化以外のキャリアアップの選択肢
まとめ
派遣社員が抱える悩みとは

「どうせ派遣だし…。」
私たちのもとに相談に来る派遣社員の方の中には、このように「派遣」という働き方に対してネガティブな印象を抱いている方も少なくありません。
派遣という就業形態が一時的であるため、どうしても将来的な安定性に不安を感じることが多いからではないでしょうか。また、正社員と比べて責任が少ないとされる一方で、重要な業務に携われないことから、自分のスキルやキャリアが発展しないのではないかという懸念を持つ方もいます。
これらのネガティブな考え方は、派遣社員自身のモチベーションを低下させるだけでなく、企業側からの期待値を下げる要因ともなり、結果的に仕事のパフォーマンスにも影響を与える可能性があります。
企業側の抱えている問題
「私は派遣だから、これ以上の業務は求められていない。」という声をよく耳にします。
「求められていない=可能性を制限されている」と捉える方は多いと思いますが、これには企業側にもきちんとした理由があるのです。
企業が派遣社員に対し、契約書に記載のない業務を依頼することは、「派遣法」という法律によって禁止されています。つまり、契約書に明記された業務内容以外を派遣社員に課すことはできず、この制約のために、企業は派遣社員に対し自由な範囲で仕事を与えることができないのです。
それは、結果的に派遣社員の可能性を狭めてしまうことになりますが、この法律は派遣社員に不当な労働をさせないための法令でもあります。
派遣社員のキャリアアップの方法とは

派遣社員として働くことは、正社員と同様にキャリアアップの可能性を秘めています。ただし、派遣社員がその可能性を最大限に引き出すためには、自主的なスキルアップや業務領域の拡大が必要です。
ここでは、派遣社員がキャリアアップを目指すために必要な方法を具体的に考えていきましょう。
自らの可能性を狭めない
派遣社員として働く中で、私たちが最も大切だと感じるのは、自らの可能性を狭めないこと。
様々な業務にチャレンジする姿勢を持ちましょう。そして自分のビジョンの中に、この仕事をまかせてほしい、この業務にも挑戦したいという気持ちが持てるようになったときは、迷わずに派遣会社や転職エージェントに相談してみましょう。具体的なアドバイスや企業への提案を行ってくれるかもしれません。それは自分の可能性を広げるチャンスであり、企業に貢献できる第一歩でもあります。
また、職場との人間関係を大切にし、コミュニケーションを積極的に図ることも大切なポイントです。これにより周囲からの信頼を築くことができ、自分にとっても就業しやすい環境を作ることができます。自己改善を怠らず、常に学び続ける姿勢を持つことで、派遣という働き方が持つ可能性を最大限に活かすことができるでしょう。
その他にも、eラーニングサービスの提供やセミナーの受講などを通じ、積極的に派遣社員のスキルアップに取り組んでいる派遣会社もあります。こうしたサービスを活用し、自身のスキル向上につなげるのも一つの方法です。
ある派遣社員の事例
ここで、当社で就業されている派遣社員の体験をご紹介します。
ある外資系企業で3年以上就業されているAさん。Aさんは現在「無期雇用派遣」としてその企業でWebデザインなどクリエイティブ関連の仕事を担当しています。一時は企業から正社員化の打診もありました。では、Aさんのどのような部分を企業は評価していたのでしょうか。
Aさんはエンターテイメントコンテンツをプロモーションするチームに所属していますが、海外にも同様のチームがいくつか存在します。
それらのチーム内にWebデザイナーが存在するのはAさんのチームのみ。
他の拠点のチームはマーケティングのマネージャーなどが自分の専門外の領域ではあるもののバナー作成やLPの作成を行うのが一般的でした。
Aさんは、自分が唯一のデザイナーだからこそ、クリエイティブセンターになり各拠点チームのデザイン業務を請け負いたいと考え、それを同じチームの人と立ち上げました。
企業の課題を見つけ、解決するために実際に行動する。
それが企業に評価され、その年企業から派遣社員として表彰されました。
「自分のキャリアは自分で築いていくもの」という企業理念にマッチし、自分に与えられたタスクをこなす中で、さらに広げていきたいといったAさんの強い思いが評価された結果だと思います。
こうした事例は、多くあるわけではありません。
企業によって、派遣社員ができることがそれぞれ違っていますし、おかれている環境も個々で変わってきます。
しかし、「派遣だから」という理由で、自分の能力やキャリアプランを狭めてほしくないと私たちは考えています。
正社員以外のキャリアアップの選択肢
派遣という就業形態を選択しているのは、正社員になるためにスキルが足りないからと考える方もいらっしゃいます。
派遣社員にとって、正社員化や正社員への転職は一つのキャリアアップの形ですが、それ以外にも多くの選択肢があります。
例えば、フリーランスとして独立し、自分自身の力でプロジェクトを選びながら働く方法。
特に他の職種と比較して、クリエイティブ領域の職種に関しては、こうした考えに至る方も少なくありません。
この場合、自分の得意分野や専門知識を活かした仕事を選び、報酬や働き方も自分でコントロールできます。
また、契約社員として長期のプロジェクトに携わることで、安定した収入と柔軟な働き方を両立させることも一つの選択です。
このように、派遣社員には正社員化や正社員への転職という選択肢以外にも、自己成長やスキル向上を目指した多様なキャリアパスが存在します。自分自身のキャリア目標に応じて、最適な選択肢を見つけることが大切です。
まとめ
今回は、派遣社員の働き方について、やりがいや自己成長を実感するための具体的な方法や事例をご紹介しました。私たちは、派遣社員が抱える悩みを理解し、それを克服するためのサポートや環境づくりが大切だと感じています。
クリエイティブ、マーケティング、デジタル領域に特化したキャリアプランを一緒に考えていきましょう。転職や今後のキャリアについてお悩みの方は、ぜひ当社にご相談ください。
▼クリエイティブ・マーケティング・デジタル職のキャリア相談はこちらから

【Contributor】
王堂 波人(おうどう なみと)
エイクエント 東京オフィス:エージェント
首都圏エリアを中心に派遣業務や業務委託案件を担当
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