転職活動において最終局面で行われるのが「オファー面談」です。内定後に、企業側と条件や入社意思に関してお互いにすり合わせる非常に重要な面談となっています。本記事では、オファー面談で抑えるべき5つのポイントと、注意点を解説していきます。
オファー面談とは
→ オファー面談の目的
→ 労働条件のすり合わせ
→ 業務内容の確認
→ 入社の合意
オファー面談で押さえるべき5つのポイント
→ 1.年収
→ 2.業務内容
→ 3.就業場所
→ 4.就業時間
→ 5.福利厚生
オファー面談で交渉する際の注意点
→ 曖昧な点を残さない
→ 年収交渉は慎重に
→ 言葉選びは大切
オファー面談でよくある質問
→ オファー面談で落ちることはある?
→ オファー面談の服装は?
→ 入社承諾はいつまでに返事したらいい?
→ オファー面談で虚偽の申告をしたら知られる?
オファー面談とは
オファー面談とは転職活動の中で最終面接を終え、内定に至った場合に企業が内定者に対して行う面談です。「処遇面談」とよばれることもあります。
冒頭で述べたように、内定に関する意思の確認や入社後の条件に関してすり合わせを行います。「求人情報の条件と違う」といったミスマッチやギャップを防ぐ、非常に重要な面談としての位置付けです。
事前準備なしにオファー面談に挑んでしまい、後悔するケースもゼロではないですし、入社前の大切な機会ですので、何を抑える必要があるのか、注意点は何があるのかをしっかりと理解しましょう。
オファー面談の目的
オファー面談は、企業側が求職者に対して内定を出し、入社する意思があるかどうかを確認する目的があります。企業側は労働条件や業務内容などを提示し、求職者側に確認を取ります。オファー面談で説明される内容を解説します。
労働条件のすり合わせ
オファー面談では、人事担当者から以下の労働条件などについて詳細に説明を受けます。
- 雇用期間
- 就業時間と休憩、休日
- 給料
- 就業場所
- 会社の制度
給料のほか、産前産後休業(産休)や人事育児休暇制度(育休)、福利厚生などの制度について説明があります。
面接で聞きにくかった労働条件などの疑問点は、積極的に質問して解消しましょう。給料が月収についてのみの説明だった場合、残業代や交通費、賞与の計算方法についても確認しておきます。
業務内容の確認
人事担当者から労働条件についての説明が終わった後、配属部署の担当者から業務内容について説明される場合もあります。
企業によっては、オフィス見学ができたり、スタッフとランチなどで交流できたりするケースもあります。職場の雰囲気を知ることができる貴重な機会のため、こちらからオフィス見学の希望を申し出るのもいいでしょう。
入社の合意
労働条件と業務内容を確認した後、入社する意思があるかどうかの確認に入ります。
労働条件などに問題がなく双方合意する場合、労働契約を締結します。内定承諾書と労働条件について明記されている「労働条件通知書(オファーレター)」にサインし、求職者は正式に内定を得たことになります。
入社の合意を伝えた後は、入社日について相談するケースが多いです。オファー面談前に「入社する意思があるかどうか」「退職日を考慮した入社日の希望」は考えておくほうが、その後の手続きもスムーズです。
もし、労働条件交渉などで合意が得られなかった場合は、交渉を行ったり内定を辞退したりするというケースも、まれにですが発生します。
オファー面談がない企業もある
企業と求職者の間で労働条件と業務内容について認識が一致していると判断できる場合、オファー面談を実施しない企業もあります。オファー面談は、法的に義務付けられているものではありません。
オファー面談が実施されない場合でも、労働基準法第15条、労働基準法施行規則第5条で労働条件は書面で明示することが義務付けられています。そのため、「労働条件通知書」などの書類は交付されるので、これらの書類から労働条件を確認しましょう。採用活動中に提示された条件通りに記載されているかチェックします。
もちろん、トラブル防止のため自分からオファー面談の実施を希望することもできます。
労働条件通知書と似た書類に、「内定通知書」があります。内定通知書は、内定したことが記載された書類で、最終面接から1週間~10日後に送付されるものです。内定通知書は、法的に発行義務がない書類のため、送らない企業もあります。
オファー面談で押さえるべき5つのポイント
求職者がオファー面談に挑む場合、以下の5つのポイントを必ず押さえるようにしましょう。それぞれ非常に重要な項目であるため、必ず全ての項目を確認する必要があります。
- 年収
- 業務内容
- 就業場所
- 就業時間
- 福利厚生
労働条件通知書に記載されている内容をもとに確認していきます。
1.年収
年収や給与は働く上でのモチベーションにもつながります。経験者採用(中途採用)の場合、経験やスキルによって年収が決まるため、どのような要因で決まっているのか気になる場合は、それらに対する評価を尋ねましょう。
入社時から年収がどれくらい上がるのか確認しておくのもひとつの方法です。万が一、提示された年収に対して不満がある場合は希望する年収の交渉を行うケースもあります。
また、内定先の人事制度や評価制度を確認し、昇給や昇格などがどのような基準で行われるのかも確認してもいいでしょう。ここがブラックボックスになっていては、入社後何を基準に頑張ればいいか分からず、昇給や昇格をはじめキャリアアップが難しくなるケースもあります。
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給与交渉は難しいですよね。転職支援サービスを行う転職エージェントはあなたに代わってあなたのスキルを上手にアピールしたり、企業と交渉を行ったりしますので、ぜひ気軽にエージェントも活用しましょう。
2.業務内容
オファー面談の際に、実際の業務内容や労働時間、担当するサービスやコンテンツなどについて確認する場合があります。どういったポジションでどのような業務を行うのか、はっきりとさせ、入社までの間に準備を進めましょう。
例えば、同じデジタルマーケティング職で広告運用を任されるとしてもリスティング広告とSNS広告とでは、求められるスキルが異なります。リスティング広告はキーワードを選定するスキルが必要ですし、SNS広告はSNS利用者の属性に合わせてアプローチするスキルが求められます。
自分が従事する業務の詳しい内容を確認しておきましょう。
3.就業場所
昨今の働き方改革の影響で、IT業界をはじめ各業界ではリモートワークの普及が進んでいます。
基本的にはオファー面談を行ったオフィスにて就業するケースが多いですが、場合によってはリモートワークであったり、別の拠点にて勤務となったりすることもあります。
また、転勤の有無も確認しておくほうが安心です。全国に支社があるような大企業の場合、転勤があるケースは珍しくありません。どのくらいの割合でいつ頃から転勤があるのかを確認しましょう。
4.就業時間
就業時間は求人票や募集要項に記載されている時間だけでなく、実態を確認しておきましょう。とくにチェックしたい事項はこちらです。
- 繁忙期と閑散期の就業時間の違い
- 残業の頻度
- 休日出勤の有無
- みなし残業時間を超過した場合の手当の有無
- 有給休暇取得率
就業時間は働く上で重要な項目ですが、聞き方によってはやる気がないと誤解されてしまいかねません。やる気を示すために、「繁忙期は残業もあると思いますが、月にだいたいどれくらいを想定しておいたらよろしいでしょうか」と働く意欲を伝えながら尋ねましょう。
5.福利厚生
福利厚生についてもオファー面談で確認できます。福利厚生で確認しておきたい項目は以下です。
- 年間休日
- 特別休暇
- 交通費の支給
- 社員寮の有無
面接時にはっきり質問することが難しいことが多いため、このタイミングでしっかりと確認する必要があります。
企業によっては、入社後に一定期間勤続しなければ得られない権利や社内制度などもあるため、そういった点は特に重点的に確認しましょう。
オファー面談で交渉する際の注意点
オファー面談に臨む場合、上記の5つのポイントを押さえた上で、さらに注意しないといけない点があります。それだけ大切な面談であるため、必ず注意するようにしてください。
曖昧な点を残さない
オファー面談の際には、不安に思った点や定義が曖昧な点は必ず質問し、はっきりとさせるようにしましょう。例えば、副業可能か知りたい場合もオファー面談で確認しておきます。
一度内定承諾書にサインしてしまうと、条件面や待遇に合意したとみなされるため、後から契約を覆すことは難しくなってしまいます。曖昧になっていたまま同意してしまい、納得のいかない気持ちのまま働き続けるという事態を避けるためにも、心配な点は残さないようにしましょう。
年収交渉は慎重に
年収の確認・交渉は1番悩める項目ではないでしょうか。もし不満があった場合は、オファー面談の中で交渉を行うことも可能です。
しかし、企業側の心象を損なってしまう可能性もあるため交渉する場合は慎重に行いましょう。なぜ不服なのか、具体的にどういった要因で不満なのかを、論理的に相手に伝えるほうが交渉は成功しやすくなります。その場だけの準備で年収交渉を行うことは危険なので、事前に年収を想定し、下回っていた場合の対応などを用意するようにしましょう。
また、あくまで企業側と求職者は対等であるため、必ずしも交渉が不可能ということはありません。とはいえ金額交渉は事前調査や準備が必要になりますので、エージェントに相談することをおすすめします。
なぜこの給与が適切なのか、あなたに代わって企業に交渉してくれます。転職注意点についてアドバイスがもらえるなど利用するメリットは多いので、ぜひ活用しましょう。
言葉選びは大切
オファー面談では、人事担当者にどのような言葉で主張を伝えるかが大切です。同じ要求でも、言葉によって与える印象が異なるからです。
例えば前述の年収交渉についても、「年収が現職より低いので上げてください」とストレートに伝えるより、企業側の都合を尋ねながら、根拠をもって伝えるほうが印象は良くなります。
年収交渉の言い方の例を紹介します。
「年収について、もう一度ご検討いただく余地はございますか。現職では年収で550万円いただいており、マーケティング部のマネージャーをしております。貴社で活かせる知識とスキルはあると考えておりますので、転職後の年収も同等額にしていただけたら幸いです。」
内定先企業の都合について尋ねる姿勢を示しつつ、年収を上げる根拠として現職の年収を伝え、市場価値のあるスキルを伝えましょう。
オファー面談でよくある質問
よくある質問を4つピックアップしました。
オファー面談で落ちることはある?
ほぼありません。オファー面談は、面接対策が必要な選考過程と違います。ただしオファー面談で、履歴書に虚偽の経歴を記載していたことが発覚した場合は、内定取り消しや不採用になる可能性もあります。
履歴書は正確に記載しましょう。オファー面談後は、お礼メールを送ると好印象につながるケースもありますが、手土産を持参するなど、気を使いすぎる必要はありません。
オファー面談の服装は?
マーケティング職やクリエイティブ職、エンジニア職の場合はスーツでなくオフィスに適したカジュアルな服装で構いません。マナーを守って清潔感のある服装を着用し、派手過ぎない持ち物で参加しましょう。
選考面接と違うため、営業職などの場合でも「カジュアルな服装でお越しください」と指定する企業があるほどです。オファー面談はオンラインで行われることもあります。
内定先企業がどこまでカジュアルな服装を許容しているのか判断できない場合は、内定企業の採用サイトの社員紹介ページを確認し、先輩社員の服装を参考にするとよいでしょう。
入社承諾はいつまでに返事したらいい?
目安として、1週間以内に返事しましょう。入社承諾の回答期限を設けていない企業もありますが、一般的に入社承諾は1週間程度で回答することが望ましいです。労働条件や仕事内容に問題がなければ「入社承諾書」に記載して提出します。
「現職の退職時期が決まらない」「他社からも内定を受けていて判断に迷う」など、何らかの理由で1週間以内に返信できない場合は、人事担当者に連絡する必要があります。入社承諾の連絡をせずにいると、内定を取り消しされる可能性もゼロではありません。内定辞退する場合も、早めに担当者に連絡しましょう。
オファー面談で虚偽の申告をしたら知られる?
オファー面談で虚偽の申告をした場合、入社後に嘘とバレるケースがあります。例えば、現職の年収は、入社後に提出する源泉徴収票から分かります。年末調整の手続きのため、転職先企業には前職の源泉徴収票の提出が必要だからです。
年収や賃金以外にも、経歴詐称などは後々にバレることもあります。オファー面談では、経歴や年収をはじめ、正直に伝えるようにしましょう。
まとめ
オファー面談は、今後の自分の働き方を決める非常に重要な面談です。
押さえるべき5つのポイントを整理した上で、不安な点は残さずハッピーな転職を叶えましょう!
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