近年、働く人々や働き方は変化してきています。若手であるZ世代が職場での存在感を示してきており、その後にα世代が控える中、人事・採用担当者は新たな価値観や要求に直面しているのではないでしょうか。過去の世代で通用した採用手法は、今日台頭する人材には響かないかなくなってきています。こうした変化を理解し適応することは、まだ見ぬ未来に対応できるチームの構築に不可欠となっています。
このブログでは、若手人材にとって重要な要素に焦点を当てることで、世代間の隔たりを埋める方法を探っていきます。マインドセットの転換、採用プロセスの革新、そして次世代の人材を惹きつけるだけでなく定着させる職場文化の構築について、一緒に考えていきましょう。
Key Takeaways:
- 職場においてZ世代やα(アルファ)世代と関係性を築き、サポートするためには世代間の違いを理解し、それに適応することが不可欠です。
- ソーシャルメディアやインタラクティブなアプリ活用といった新たな採用戦略は、優秀な若手人材を引き付ける上で重要となります。
- 会社のバリュー(価値観)の浸透やDEI(多様性・公平性・包括性)への取り組みを含め、パーパス駆動の職場環境を育むことが、組織の差別化につながります。
- 明確なキャリア成長、フィードバック、意義あるプロジェクトへの関与の機会を提供することで、若手世代の興味・意欲を維持することができます。
【目次】
職場におけるZ世代の考え方や特徴を理解する
・Z世代の人材の主な特徴
Z世代の人材を惹きつける採用戦略
・革新的な採用チャネルを活用する
・応募プロセスを簡単かつインタラクティブに
若手人材を定着させる文化の構築
・パーパス、価値観、DEIBを優先する
・ワークライフバランスと柔軟性の再定義
Z世代のマネジメント:フィードバックとキャリア成長
・リアルタイムで実践可能なフィードバックの提供
・明確なキャリアパスと細かなマイルストーンを構築する
次のステップとして
職場におけるZ世代の考え方や特徴を理解する
Z世代とは、1990年代後半から2010年代前半までに生まれた世代を意味します。多くの採用担当者は、この若い世代に対して誤解を抱いており、彼らはやる気がない、長期的なビジョンに欠けるなどと捉えられることが少なくありません。私の経験では、この見方は的外れと言えます。Z世代やα世代は怠惰ではありません。彼らは非常に効率的で、「より賢く考え、より努力する」ことを重視しているのです。彼らは即座に結果をもたらすテクノロジーと共に育ち、それが彼らの仕事へのアプローチを形成してきました。
従来の5年や10年といった長期計画ではなく、彼らは2~3年という短期的な区切りで考える考えるケースが多く見られます。これは野心の欠如を示すものではなく、むしろ機敏さを求め、キャリア設計の異なる方法を見出しているとも言えます。彼らを率いるリーダーに求められるのは、彼らの考え方や働き方に柔軟に対応し、オープンな姿勢を持つことです。かつてあなたの世代に対して、先輩世代が何と言っていたか覚えていますか?これは、繰り返されるサイクルなのです。重要なのは、批判から好奇心へと視点を転換することです。
Z世代の人材の主な特徴
- 効率重視:解決策への最短ルートを追求する。
- 短期目標志向:大きな目標を管理可能なスプリントに分割する。
- デジタルネイティブ:新技術に対する自然な適応力と活用能力を持つ。
- 目的志向:仕事に「なぜ」という意義を求める。
Z世代の人材を惹きつける採用戦略
従来の採用手法は効果を失いつつあります。次世代の人材を惹きつけるには、彼らのいる場所に出向く必要があります。つまり、求人広告から応募プロセスに至るまで、あらゆる要素を見直す必要があるのです。
革新的な採用チャネルを活用する
新聞広告や長文スカウトメールはもう忘れましょう。私の経験上、ソーシャルメディアや短編動画コンテンツを活用することが、若手人材と繋がる最も効果的な方法の一つです。TikTokのようなプラットフォームは単なる娯楽ではなく、強力なブランディングツールなのです。
求人情報を掲載する代わりに、自社の企業文化を紹介したり、社員のストーリーを強調したり、組織の活動を魅力的な方法で説明したりするコンテンツを作成するのが良いでしょう。先進的で進歩を続ける企業としてブランディングをすることは、単純な「現在募集中」の投稿よりもはるかに効果的に彼らの興味を惹くでしょう。
応募プロセスを簡単かつインタラクティブに
Z世代はスピードと簡潔さを重視します。応募手続きに30分もかかってしまう場合、優秀な候補者を逃す可能性があります。可能な限りワンクリック応募機能を導入しましょう。
採用プロセスにおいて、評価にゲーム要素を取り入れたり、インタラクティブな活動を組み込んだりすることを推奨します。こうした手法は形式的なテストというより、魅力的な挑戦のように感じられ、彼らが育ってきたインタラクティブなデジタル世界に合致します。このアプローチにより、候補者の関心を維持しながらスキルを評価できるのです。
若手人材を定着させる文化の構築
Z世代の採用は目標の半分に過ぎません。彼らがチームに加わった後は、定着のために、彼らが価値を認められ、自身の将来像を見出せる環境を整える必要があります。
パーパス、価値観、DEIBを優先する
Z世代にとって、仕事は単なる収入源以上のものを意味します。彼らは自らの価値観に深くコミットしており、雇用主にも同様の姿勢を求める傾向にあります。ポジティブな影響を与え、多様性・公平性・包括性・帰属感(DEIB)への取り組みを透明性をもって示す企業で働きたいと考えているZ世代の人材は多数います。
若手世代は、様々な人々や文化に触れながら、「つながる」世界で育ってきました。多様性に欠け、排他的な職場環境は大きな危険信号となり得ます。彼らは、自身の価値観と一致しない企業からのオファーを躊躇なく断ります。DEIBを企業文化に真摯に組み込むことは、絶対に譲れない条件であると言えるでしょう。
ワークライフバランスと柔軟性の再定義
「働くために生きる」という概念はZ世代には馴染みがありません。彼らは生きるために働く。ワークライフバランスは最優先事項であり、メンタルヘルスの重視と密接に結びついています。彼らは感じていることについてよりオープンであり、こころの健康のために境界線を引くことを恐れません。
勤務時間外の社員への連絡は、個人の時間を守る手段として拒否される可能性があります。これは決して、無礼な態度を取ろうと考えているわけではありません。私の見解では、この世代の多くはパンデミック中に親がリモート勤務する姿を目撃しており、柔軟な働き方が当然の感覚となっていることにも起因しています。週40時間、オフィス勤務を強要するのは困難です。優秀な人材を獲得・維持するには、ハイブリッド勤務やリモート勤務の選択肢を用意すべきでしょう。
Z世代のマネジメント:フィードバックとキャリア成長
Z世代を効果的にマネジメントするには、フィードバック、評価、キャリア開発に対する新たなアプローチが必要です。従来のトップダウン型モデルでは、今や不十分なのです。
リアルタイムで実践可能なフィードバックの提供
年次の業績評価は時代遅れと言えます。若手社員は即時的でリアルタイムなフィードバックを求めています。彼らが素晴らしい仕事をしたなら、すぐにその旨を伝えましょう。即時の承認は、強力な動機付けとなります。
同様に、問題があれば迅速かつ明確に対処することが重要です。ミスについて1週間も待ってから話し合っても、効果は見込めません。その頃には状況が曖昧になり、即時改善の機会は失われています。フィードバックは一方的に与えるものでなく、対話であるべきです。質問に備え、管理者として彼らをより良くサポートする方法について、彼らの視点に耳を傾ける姿勢を持ちましょう。
明確なキャリアパスと細かなマイルストーンを構築する
Z世代の社員は、次なるステップを知りたがる傾向があります。入社後、1~2年以内に昇進のタイムラインや成長機会について質問するケースが多く見られます。そして、明確な回答を用意することが極めて重要です。成長の可能性を示す道筋を示せなければ、彼らは道が存在しないと判断し、他社を探し始める可能性が高まります。
定着戦略は、新たな挑戦と機会の提供に焦点を当てるべきです。社員の直接的な役割を超えたプロジェクトを提供し、多分野にわたるスキルセットの構築を支援することをお勧めします。これにより社員の関与を維持し、単調さを防ぎ、彼らの成長に投資している姿勢を示すことができます。このアプローチは、社員に付加価値を与えるだけでなく、より機敏で組織横断的なチームを創出することにも寄与します。
次のステップとして
Z世代とα世代の人材を惹き付け、定着させるには、仕事、文化、リーダーシップへのアプローチを根本的に変える必要があります。彼らの視点を積極的に取り入れ、戦略を適応させることで、未来に備えたチームを構築できます。
まずは自社の採用プロセスを見直してみましょう。モバイル対応ができていて、効率的ですか?自社の価値観を体現できていますか?最後に、マネジメント手法を再考してみてください。オープンな対話を促進し、明確な成長経路を提供し、若手世代にとって極めて重要なワークライフバランスを尊重しましょう。今日注ぐ努力は、今後何年にもわたり人材とイノベーションという形で報われるでしょう。
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【著者について】

Aquentの人材採用スペシャリストとして、多様な事業部門において卓越した人材の採用をリードしています。ワイズは、演劇、キャスティング、社員エンゲージメント、リレーションシップ・マネジメントにおける15年以上の豊富な経験を活かし、企業採用分野へキャリアを転換しました。本職に加え、DEIBカウンシルの共同議長を務め、「BIPOC+アライ」社員リソースグループの共同ファシリテーターも担当。その独自の視点により、人事チームに貴重な洞察を提供し、社員の定着率向上と組織内での価値・帰属意識の確立を図る戦略策定において重要な役割を担っています。DEIBへの揺るぎない取り組みと、クライアント・社員満足度の確保への貢献が評価され、複数の組織から表彰を受けています。ワイズは、職場における包括性と多様性を促進するイニシアチブを推進する変革の担い手であり続けています。