「広告代理店に転職したい」「広告代理店の年収はいくらか」と気になっていませんか?本記事では、広告代理店への転職に興味のあるクリエイターやマーケターの皆さんへ、広告代理店の仕事内容、年収、やりがいや魅力を紹介します。
広告代理店とは企業の広告活動を代行する企業のこと
→ 広告代理店の仕事内容
→ 広告代理店の平均年収
広告代理店の分類
→ 1.総合広告代理店
→ 2.専門広告代理店
→ 3.ハウスエージェンシー
広告代理店で働く人の職種
→ 1.営業
→ 2.クリエイティブ
→ 3.クリエイティブ
→ 4.メディア
やりがい・魅力
社会へ影響が与えられる
→ 幅広い業界関係者と関わることができる
→ 達成感を味わうことができる
広告代理店に向いている人の特徴
情報収集能力が高い
→ ヒアリング力がある
→ コミュニケーションスキルに秀でている
→ 柔軟性がある
広告代理店とは企業の広告活動を代行する企業のこと
広告代理店とは簡単に説明すると、企業の広告活動を代理でおこなうビジネスモデルの企業のことです。広告代理店について徹底解説します。
広告代理店の仕事内容
広告代理店とは、クライアントの広告活動を代理で行うことで収益を得る仕組みの企業です。テレビやラジオ、雑誌、Webメディアなどへ広告出稿し、クライアントの商品をPRします。
広告代理店の仕事の流れは、企業から広告案件の仕事を受注することから始まります。
案件を獲得したら、クライアントから消費者に伝えたいメッセージや築きたいブランドイメージをヒアリングし、チームでプロモーションのプランニング・提案を行います。プランが固まった後、広告の作成・配信です。
広告代理店はクライアントの商品の売上が最大化するよう、広告活動を行います。
広告代理店の平均年収
令和3年分の国税庁の調査によると、広告業を含む「学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業」の平均年収は、521万円です(※1)。給与所得者の平均給与は443万円のため、他の業種より高収入であることが分かります。
ただし、広告代理店の給料は会社によって大きく異なります。従業員数が多い大手企業の平均年収は1,000万円以上といわれていますが、中小広告代理店は平均年収400万円代のところもあります。一方、20代から高収入というスタートアップも珍しくありません。
広告代理店とはいえ、給料は企業によって異なります。転職先選びは給料をしっかり確認することがおすすめです。
広告代理店の分類
広告代理店は主に以下の3種類に分けられます。
- 総合広告代理店
- 専門広告代理店
- ハウスエージェンシー
それぞれの特徴をご紹介します。
1.総合広告代理店
就活生の就職応募倍率や志望順位の高い有名企業の博報堂や電通、ADKは総合広告代理店に該当します。
総合広告代理店は、ほぼ全ての広告媒体を取り扱い、企画から制作までをトータルでおこないます。多数の広告媒体を扱っているため、クライアントの希望に合わせて、複数のメディアを活用したプロモーションが可能です。
また、1つのメディアや手法にとらわれず、クライアントの業種や商品・サービスに応じた広告戦略をアドバイスすることがあります。
2.専門広告代理店
専門広告代理店は、総合広告代理店があらゆる広告媒体を取り扱うのとは違い、ある特定の媒体に特化した広告代理店のことをいいます。
ビルボード(屋外広告)の専門広告代理店、デジタル広告(インターネット広告)の専門広告代理店など、それぞれの媒体について専門知識をもち、広告を最適化できるのが強みです。
新型コロナウイルスの流行も影響し、日本のマスコミ4媒体広告のマス広告費用は減少しましたが、デジタル広告市場はどんどん成長しており、今後も成長が期待されています。サイバーエージェントやGMOなど大手広告代理店は有名です。
広告を出したいメディアがはっきりしている企業は、より深い理解と専門的なノウハウのある専門広告代理店を利用することで、費用を抑えることができます。特定のメディアに特化していることは、専門広告代理店が企業から選ばれる理由の1つです。
その代わり、媒体を跨いだ広告キャンペーンや一連の広告プロモーション企画をすることはできません。
3.ハウスエージェンシー
ハウスエージェンシーとは、特定の事業会社専属の広告代理店のことです。大企業の広報部が分社化した組織のイメージです。親会社や関連企業の広告案件をメインにおこないます。
特定の企業の広告活動をおこなうため、ビジョンや商品、サービスについてより深い知識を持っています。事業内容の説明を受けたり学んだりする手間が省けるため、業務が円滑に進みやすいです。
安定的に案件が受注できますが、関連会社以外からは受注しにくい傾向にあります。
広告代理店で働く人の職種
広告代理店に勤務するには、どんな職種があるでしょうか? ここでは主に4つに分けて説明します。
1.営業
広告営業の営業活動は、クライアントから案件を受注してくることです。
クライアントの広告・宣伝や広報などと密にコミュニケーションをとり、直接案件を受注します。また、クライアントが複数の代理店にプレゼンテーションをさせる「コンペ案件」では、企業側のオリエンテーションなどで情報収集するのも仕事です。そしてクリエイティブやマーケティング部門の社員へ内容を共有し、企画をまとめます。
受注後は、制作会社への依頼や、制作に関する各種の調整から進捗管理までをおこないます。スケジュール管理や予算のマネジメントも法人営業の役割です。
営業職を細かく分けると、クライアントの窓口となり、クライアントの情報やスケジュール、予算の管理を担うアカウントプランナーやメディア戦略を提案するメディアプランナーなどがあります。
2.クリエイティブ
クリエイティブ部門は、広告の企画や制作を行う部門です。クリエイティブ領域は幅広い職種があります。具体的なクリエイティブ職を下表にまとめました。
職種 | 業務内容 |
コピーライター | 広告のコピーを考える |
デザイナー | 広告のコンセプトに沿ってデザインする |
CMプランナー | CMの企画立案を担う |
アートディレクター | 広告のデザイン・ビジュアル制作のディレクション |
クリエイティブディレクター | プランニングからプロモーションまで総合的な指揮進行 |
広告業界で活躍するクリエイティブディレクターは、企画から広告制作、プロモーションまで全体に携わることができるため、魅力的に感じる方が多いようです。
また自分の携わった広告をインターネットやSNS、街中で多くの人たちに見てもらえることにやりがいが感じられるでしょう。
最近では、動画広告やSNSに強みを持ったクリエイティブ人材のニーズが高まっています。
3.マーケティング
広告代理店のマーケティングは、市場分析や調査をおこないます。案件受注前のコンペの際には、定量的なデータを用いた説得力ある企画書を作り、自社が採用されるよう努めます。広告案件の獲得後は、成果を出せる広告戦略を立案し、分析します。
広告代理店で働くのに必須の資格はありませんが、Webの知識は業務上必須になります。特にマーケティングに関するスキル、広告やSEO、ホームページ制作などの経験や実績が重視される傾向にあります。
また、グローバルマーケティングという海外向けマーケティングでは、TOEIC750点以上の英語力が求められることもあります。デジタルマーケティングでWebのスキルや分析力をアピールできる資格として「Google Analytics Individual Qualification」などがあります。
4.メディア
メディアとは、テレビや新聞、SNSなどメディア媒体社から広告枠を買い取ったり、広告効果を最大化させるためのメディアの使い方をクライアントに提案したりする仕事です。クライアントとメディアをつなぐ仲介役のような役割を果たします。
広告枠を買い取る際は、消費者にクライアントの商品の魅力がより伝えられるような枠を買い取るよう努めます。営業担当者やマーケティング担当者と連携できるコミュニケーション能力のほか、最近では、複数のメディアを組み合わせる企画力なども必要です。
やりがい・魅力
広告代理店のやりがいなどを3つ紹介します。やりがいは仕事で重要な要素のため把握しておきましょう。
社会へ影響が与えられる
多くの人の目に触れ、人々の会話やSNS上で議論を起こすような、社会的影響力の大きいプロジェクトに携われる環境での働き方を魅力に感じる方も多いでしょう。
行政や国際的なスポーツイベントの案件や映画などのエンタメ案件があるため、世の中への影響力を感じることもできます。
幅広い業界関係者と関わることができる
広告代理店で働くと、さまざまな業界の関係者と関わる機会があります。例えば、総合広告代理店や求人広告代理店の場合、メーカーやIT企業など幅広い業界の商材が対象です。
さまざまな業界の方と一緒に仕事を進められるため、トレンドや社会について知識が深まることもメリットです。
達成感を味わうことができる
広告代理店で働くと、あらゆるシーンで達成感が味えます。例えば、プレゼンが採用された時や、広告戦略が成功し商品の売上が伸びた時などです。
自分のアイデアや分析、戦略がクライアントの利益や人気とつながるため、達成感や喜びの大きい仕事です。
広告代理店の大変さ
広告代理店の大変さを2つ挙げます。華やかな印象の裏にあるつらい部分も理解しておきましょう。
ハードワークになりがち
広告業界で働くには、入社後にクライアント(広告主)とメディア運営会社、また制作会社と打ち合わせしながら幅広い業務をこなします。多くの関係者がいるため、ハードワークできつい、忙しい職場といった社風をイメージする方も多いようです。
基本的に広告代理店で働く場合、クライアントだけでなくメディアとのリレーションが重要になってきます。他部署やクライアント、制作会社と協力しながら仕事し、時には全く新しいアイデアを生み出さなくてはいけません。そのため、人のために行動したい・行動できる人、そしてトレンドへの興味が強い人が向いています。
成果主義である
広告代理店は、成果主義の傾向があります。クライアントが支払う広告費に見合う広告効果が求められます。
商品の売上金額やPVなどは数値化されるため、広告掲載の成果は一目瞭然です。もちろん掲載後に数字が伸びた場合は社内外で評価され、広告案件の継続受注につながります。
広告代理店に向いている人の特徴
広告代理店に向いている人の特徴を4つ紹介します。自己PRなどの参考にしてください。
情報収集能力が高い
広告代理店で働く場合、トレンド情報や世の中の動向について情報収集するスキルが大切です。世間の人々の関心ごとを収集して、効果的な広告戦略が展開できる人材は非常に重宝されます。
情報収集能力は「好奇心が旺盛」「新しいものが好き」という先天的な素質が成長のきっかけとなります。ただ、潜在的に情報収集能力が高くない人でも、RSSなどの情報収集のツールを使って努力で身に付けているケースも多いです。
ヒアリング力がある
ヒアリング力は、広告制作に欠かせない能力です。クライアントが消費者に伝えたいメッセージを丁寧にヒアリングし、形にしていく必要があるからです。
クライアントとのやり取りだけでなく、自社の他部署とのコミュニケーションにおいてもヒアリング力は求められます。クリエイティブ担当者やマーケティング担当者の伝える内容をくみ取り、より正確に理解するスキルは大事です。
コミュニケーションスキルに秀でている
コミュニケーションスキルも広告代理店で働く際に大切です。広告代理店の仕事は、クライアントや制作会社、他部署と連携して進めるからです。コミュニケーションスキルのなかでも、特に相手に伝える能力が重要です。
伝える力があることで、クライアントの要望を制作会社へ正確に伝えることができます。また、消費者に対しても商品の魅力が伝えられるようになります。
柔軟性がある
広告代理店では、柔軟性が求められます。クライアントの課題を解決するために、柔軟に対応する必要があるからです。
クライアントからフィードバックがあった場合は、関連企業や各部署と調整する時間が発生することもあります。「社会やお客様の課題解決をする」という目的のために、柔軟に仕事に取り組む姿勢とスキルが求められます。
広告代理店の動向
近年の広告代理店の動向として以下の3つが挙げられます。
- デジタル広告を扱う企業が増えている
- マス広告が減少傾向にある
- コンサル業界と競合する可能性がある
デジタル広告費用が急激に増加している一方、マス広告の費用は右肩下がりの傾向がみられます。コンサルティング企業のなかには、クライアントのコンサルタントを行いながらマーケティング戦術を提案し、広告ビジネスまで行う企業が増えてきました。
将来的に広告代理店は、デジタル広告のニーズを満たすノウハウを確立し、競合他社に勝つ独自性が求められています。
まとめ
広告代理店の仕事内容や向いている人の特徴などを紹介しました。広告代理店の仕事は社会への影響力が大きく、やりがいや達成感を味わうことができます。
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