求人票には「コミュニケーション力」という言葉が頻繁に登場します。
しかし、この言葉で意味することや、それに込めた思いは各人まちまちであり、コミュニケーション力という言葉を使ったコミュニケーションが成り立っていないように感じています。
そこで、求人企業の方にご自身が思うコミュニケーション力について訊いてみることにしました。
万人を納得させる定義は出てこないかもしれませんが、すくなくとも、コミュニケーション力の輪郭はこれまでよりもくっきりしてくると考えています。
今回は、リーバイス、エビアン、Meijiなどのブランディングを手がける世界トップレベルのブランディングエージェンシー、ランドーアソシエイツ東京オフィスの橋本昭代さんの考えるコミュニケーション力をご紹介します。
Landor Tokyo
ランドーアソシエイツ
HRディレクター:橋本昭代さん(写真内、後列右から3番目)
わたしが考える「コミュニケーション力」とは、
相手の思いをくみ取る力
だと思います。
「コミュニケーション力」というと「話し上手」や「雑談力」のようなことが想起されるかもしれませんが、わたしは発信よりも受信の方が大切だと考えています。
そしてくみ取るべき「相手の思い」というのは、実際に言葉になったものだけではなく、本人さえも気づいていないことがらも含みます。それは「建前を見抜く」とか「裏側を読む」というような表面的なことではなく、本人が気づいていない深層心理的なことを相手に代わって言語化する、ということかもしれません。特に面接のような「腹を割った会話」が難しい場面では、相手の本心を引き出すスキルは重要だと思います。これには、面接官にとっては当たり前すぎてあえて伝えないその会社の良いところを見抜く、というようなことも含まれるのではないでしょうか。
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