クリエイター、マーケターの転職活動に役立つ記事を、米国のAquentよりピックアップし、翻訳してお送りしています。
今回は、ポストコロナ時代にリーダーやマネージャーが新しい働き方を活用し、社員のエンゲージメント(働く意欲と満足)を維持する、または高めるための取り組み方法を5つ解説します。

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コロナ以前より”ダイバーシティ”や”ワークライフバランス”が注目され、企業は働き方改革を求められていました。それが2020年のパンデミックにより、働き方改革の優先度が高まり加速したことは言うまでもありません。

社員のエンゲージメントやメンタルヘルスをしっかり把握する事が、これほど重要だった時はありません。

社員エンゲージメントは、社員の企業に対する信頼感や貢献意欲を意味します。社員のモチベーション、従業員満足度、顧客満足度、生産性、企業やチームの業績向上とも関係性のある、大事な指標です。自発的な行動を促したり、優秀な人材の流出を防ぐためにも、パンデミックの結果として加速傾向にある人的資源の変革は待ったなしです。

コロナ禍がもたらした代償として、人と人がつながりを失い、多くの人がメンタル面の健康問題に悩んでいます。そして、多くの人たちは以前の働き方に戻りたくないと思っていることが調査の結果明らかになっています。

社員エンゲージメントの向上に成功している企業事例を挙げると、スターバックスにはマニュアルが用意されていないのは有名です。メンバーをマニュアル通りに動くように指導するのではなく、スターバックスの明確化されたミッションやビジョンがアルバイトのメンバーにまで浸透し、共感してもらうことで自ら行動する人材を育てています。

それでは、新しい働き方に移行する中で、社員のエンゲージメントが高い企業の経営者、マネージャーやリーダーは何をしているでしょうか?
次の5つの取り組みを検討してみましょう。

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1. 「1on1」などを実施し、耳を傾ける

最高の人材を維持し生産性を向上させることは、あなたの手にかかっています。エイクエントが1,200人以上の社員を対象に行った最新の調査では、フルタイム出社に戻りたいと考えている人は、なんと2.24%だけでした!

チームが望む働き方を真に理解することが、ポストコロナ時代には効果があり、次のステップへ前進する鍵となります。そして、あなた自身に聞いてみましょう。チームが、新しい仕事のスタイルを通して何を望んでいるだろうか? と。

最新の状況を理解するためには、仕事に関する情報共有だけでなく、社員からの聞き取りをできれば毎月実施しましょう(まめに行うのがポイント)。アンケートを実施するのも良いですが、小さな組織であれば、少人数のグループ、あるいは「1on1」の時間を毎月または毎週設け、1人1人の仕事の進め方や今の悩みに耳を傾けましょう。

また成果のフィードバックも同時に行うことで成長を感じてもらい、個人と企業お互いの理解を深めていきましょう。

メンバーのエンゲージを高めるには何ができるか、より効果的な社員コミュニケーションの方法を探りながら、社員が直面している課題や価値観を、リーダーのあなたがよりよく理解し、どんな解決方法がベストだと彼らが感じるかを掴んでいきましょう。

2. 柔軟な働き方を本気で受け入れる

ポストコロナ時代のリモートワークについて、社内で何か計画を立てていますか? あるいは、チームがフルタイムでオフィス出社することが期待されていますか?

カリフォルニア州スタンフォード大学のリモートワークの専門家、ニコラス・ブルーム教授は、"長所は短所を上回る "と言っています。長い目で見て、これはとても大きな考え方になると思います。

例えば、一日の時間のうち20%を仕事に使った場合、リモート勤務であればその20%の中に通勤時間に費やされる時間はありません。2010年時の教授のリサーチによれば、その結果、社員全体のパフォーマンスが13%増加し、さらに作業時間が9%増加したことがわかりました。

リモートワーク は時間の有効利用を可能にします。今こそ、柔軟な働き方に取り組む時です。でないと、コスト負担は先送りするほど大きくなるばかりなのです。

PwCの親グループの創設者である私は、身をもって知っています。子供を持つ社員が、今よりおおいに厚遇される条件を呈示されても、ここに残って貢献したいと思ってくれた最大の理由。それは、社員のメンタルヘルスに対する理解と働き方に対して与えられる柔軟性に対して、心から感謝し共感してくれたからです。

Home Work

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3. 柔軟な働き方を支えるインフラをバックアップする

コロナ禍に見舞われて私が心配だったのは、多くの社員がリモートで仕事をするためのサポートを受けられなかったことです。自宅の寝室を不自由にも職場にしなければならなくなったら、それはモチベーション低下の大きな要因です。

そんな現状を打破するために企業ができる大きなサポートがIT導入です。

2018年に私はグローバル・リーガル・カンファレンスで「フレキシブルワーキングとはどんなものか」というテーマで講演しました。当時としては、時代の先を歩んでいたPwCでの経験を皆さんに紹介したもので、多くの組織が「在宅ワーク」の施策を検討し始めた時期でした。
これまでに、信頼される働き方を開発してきたでしょうか? 生産性の高い柔軟な働き方を実現するために、ITのサポートや研修を導入していたでしょうか?

多くのコンサルティング会社は、コロナ禍に見舞われた時にオフィスビルから退去しました。しかし、他の業種では恐ろしく対処に苦戦しています。

今この時点でITを導入していなければ、もう手遅れになりそうです。ITを導入していないということは、企業が「社員の業務の質」を向上しようとしていないということです。

4. E2E(end-to-end)の行き届いたメンタルヘルス支援

社内におけるメンタルヘルスのためのサポート体制や、社員の精神的負担を軽減する方法について考えてみましょう。

人間関係のもつれや社員同士のつながりを失うことは、私たちのメンタルヘルスに重大な影響をもたらします。関係するのは、勤続年数の長いスタッフだけに限りません。この時期に入社する人へのサポート体制はできていますか? 新メンバー迎え入れのモデル作りを始めてみませんか?

新しい役割を担う人は「挑戦者」です。それでも、自分の寝室を仕事の拠点にしろなんて、大変すぎます。

リモートになったことで、うまく適応できていない、目標ややる気を見失っている、または人事制度や評価が適正にされていない、とストレスを感じているメンバーはいないでしょうか?

アダム・フレイザー博士は、人には、精神の健康のために仕事と家庭の間にある "第三の空間 "が必要であると言っています。私たちは、コロナ禍でほぼ一年もの間、働く場所から休憩場所へ移動してのリフレッシュ時間を過ごす「第三の空間」を失っていました。

仕事のプレッシャーは変わらないのに、気持ちを切り替える間がなくなっていたのです。これでは、私たちの精神面の健康がおかしくなり仕事へのやりがいを見失っても当然です。

Burnout

7月に行われた転職サイト「Monster」の調査によると、69%の従業員がパンデミック中に在宅勤務中に燃え尽き症候群を経験しており、わずか2ヶ月前と比べてもその数が35%増加しているのです。

5. とことん思いやるリーダーシップの実践

社員の課題を理解すること、に戻って考えてみましょう。特に問題や悩みの訴えがなくても、組織として「あなたをサポートする用意がありますよ」というメッセージを言葉にして発信することが大切です。しっかりとそのメッセージを出すことで、手遅れになる前に支援が必要な人が名乗り出やすい環境を作ることができます。

LinkedInの創設者ジェフ・ワイナーは、コロナ禍以前から、ことあるごとに「思いやりを持ってリードする」ということを話していました。今これほど重要でささるメッセージはないでしょう。

ほとんどの人にとり、コロナ禍はまったく新しい事態であり、経済的にもストレスの溜まり続ける状態です。株価の下落、被る損失、住宅ローンに充てる収入の急なカット、在宅学習でも払い続ける学費のような支出等への対処に準備する時間はほとんどありませんでした。

まとめ

社員の経験を良い結果へと進めるには、今こそが最高の機会です。

社員エンゲージメントの改善は、終身雇用が前提でなくなった今、採用費の面でも重要な要素です。労働生産性が上がったり、会社への貢献意欲や愛着が深まり離職率が減ることで採用コストが抑えられ、社員の給与やボーナスが上がり満足度も向上。企業にとってのメリットもあるのです。

成功の鍵となるのは、社員を中心に据えること、です。組織にとってより生産的な、新しい現実への扉が開かれる鍵であり、同時に最高の人材を惹きつけ、手放さないようにする鍵でもあるのです。

参考

執筆者紹介

フィオナ・ウィルヘルムは、KPMGのソリューション・リーダーとして、市場の変化に対応した革新的な製品開発の可能性を認識し、チームを支援しています。映画や広告業界をはじめ幅広い経歴を持ち、プロフェッショナルサービスの経験を用いた独自の視点をコンサルティングに活かしています。

ニュージーランド出身のウィルヘルム氏は、ロンドンで、電話会社をはじめ金融サービスから健康関連のクライアントまで、数年間にわたり国際的かつ大規模なアカウントを担当していました。2014年にはオーストラリアに移動し、デジタル広告のリーダーシップと戦略的役割を担い、年金制度から政府機関まで多数の案件を担当しました。

ウィルヘルム氏は、働く親とリーダーシップにおける女性の擁護者です。彼女はPwCでのコンサルテングで、初の男女共の親グループを設立し、2018年度PwCオーストラリアのダイバーシティ&インクルージョン戦略にその名が記録されました。

KPMGの仕事以外では、執筆活動に情熱を燃やしており、現在は、「退職後の方向転換<ピボット>の方法」について本を執筆中です。仕事以外は、サイクリングや、夫と7歳の娘と一緒に過ごしています。

また、孤独や孤立のリスクを抱えた人たちに変革を後押しするコーチングを提供する非営利団体「Splendour Life」の理事を務めています。

著者のサイト

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【原文】 

働き方を変えたい、自分に合った職場を見つけたいクリエイター 、デザイナー、マーケターの皆さん。エイクエントのエージェントに、ぜひ一度ご相談ください。

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