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アジャイルマーケティング2.0:まだプロセス構築で消耗しているの?

By: Aquent

ツールを導入し、プロセスを再編することが主眼であったアジャイルマーケティングは、過去のモノになりつつあります。アジャイル2.0は「チームを作ること」がその要諦だからです

DATE: 2019/09/25

アジャイルマーケティングについては、こちらの記事もご覧ください!

米国エイクエントのブログから、クリエイティブ・マーケティング業界の話題や、転職・採用の話題を日本語でお届けします!

アジャイルマーケティング2.0 ‐ まだプロセス構築で消耗しているの?

今日のデジタル時代は「顧客の期待」によって支配されています。顧客は、我々よりも早く変化しているのです。マーケティング担当者は、顧客を追いかけるだけでなく、顧客のニーズを先回りして、魅力的で、しかも自社ブランドを差別化できるようなカスタマー・エクスペリエンスを提供することに躍起です。

「アジャイル(機敏な)マーケティング」が、このような変革を可能にしたのです。 

先進的な考えを持つマーケティング・チームは、2010年にアジャイル・プラクティスの実験を開始し、それから10年間、テクノロジー中心のアジャイル・プラクティスを繰り返し行ってきました。「アジャイル・マーケティング1.0」は、素早く市場に参入するため、プロセスを重視し、マーケティング目標とその活動を、技術モデルに合わせることに注力していました。

しかし、今日トップで活躍するアジャイル・マーケティング担当者は、すでに「アジャイル2.0」へ移行しているのです。

「アジャイル2.0」は、マーケティング人材を適切に組織化すること、つまり、社内外の人材、臨時労働者と正社員をハイブリッド化することで、組織としてのスキルセットを拡充させ、アジャイルの理想を実現するものです。

アジャイル2.0による人材の組織化で、組織は迅速に変革し、効果的に事業転換し、世の中そして変化する顧客の期待に適応することができます。



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まずは「アジャイル・マーケティング101」

最先端のアジャイル・プラクティスに飛びつく前に、その定義を見てみましょう。

「アジャイル方法論」とは、迅速に反復し、段階毎にリリースし、実験をすることです。これにより、マーケティング担当者は、より迅速かつ効果的に市場に参入することができるのです。

数ヶ月にわたる大きなプロジェクトに焦点を当てるのではなく、アジャイル・マーケティング担当者は、小規模なチームを短期的なプロジェクトに従事させ、成果を迅速に反復し、(適切なメトリックを使用して)結果データを確認し、そしてデータに基づいて最適化するのです。成果物はフォーカスされているので、チームは協調し、常に結果を改善し続けます。

概要については、ジム・エウェル氏がホワイトボードフライデイで行った、アジャイル・マーケティングに関するプレゼンをご覧ください。

重要なのは、「アジャイル方法論は機能する」ということです。マッキンゼーの調査によると、アジャイルスタイルのチームに属する81%が、全体的なパフォーマンスがある程度または大幅に増加した、と回答してします。

しかし残念ながら、既存のマーケティング組織にアジャイル方法論を投げつけてみても、成果は出ないでしょう。なぜなら、彼らは従来のマーケティング手法でのみトレーニングを受けているからです。

2.0の導入

「アジャイル2.0」は、「堅固な機械」というよりも、柔軟性、拡張性、流動性を持つ「生きた細胞」のように人材を再編成するので、トップダウン型マーケティング組織を混乱させてしまいます。なぜなら、従来の組織モデルは、産業革命期に、生産と組み立てラインを最適化するために導入されたものだからです。

マーケティング組織を「アジャイル2.0」に移行させるには、内部と外部リソースを再構成した後、チーム全体をプロセス・技術・及びイニシアチブに対して適合させる必要があります。アジャイル手法は効率化を促します。チーム構成も同様に効率化すべきなのです。

フルタイム正社員のみで構成する社内チームは、全てのマーケティング活動を代理店にアウトソーシングするのと同じくらいに非効率的です。社内の正社員、臨時及びフリーランスの人材、また外部リソースによる、クロス・ファンクショナルなマーケティング活動を行う必要があります。こうすることで、市場の要求に応じて、チームを拡大もしくは縮小したり、顧客の要求に応じて、組織としてのスキルセットやプロジェクトの焦点を変更することができるのです。



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成功事例

「アジャイル2.0」マーケティング・チームの実例を見てみましょう。エイクエントの金融系クライアントの一社は、デジタル時代でも成功し続けるため、ここ数年に渡り、アジャイル・マーケティングを実施し、大きな成功を収めました。

新たなタイプの顧客、特にミレニアル世代の顧客(専門アドバイザーに頼らず、自分自身でネットを活用して金融情報をリサーチする)との関係を保つため、B2B主軸のマーケティングを切り替えて、消費者に直接働きかける必要がありました。これは、マーケティング制作物を大幅に、かつ素早く増産することを意味しました。

同社は、B2C業界から新CMOを雇い、彼に新しいデジタルリーダーを採用させ、成功のための事業再編に取り組んでいます。彼らは、アジャイル・プラクティスにおける2つの主要な反復を行ってきました。

1.既存のスタッフを、よりアジャイル(迅速)な報告体制に、そして、コラボレーション可能な物理的環境に再編成すること

2.スタッフのワークスペースを、イニシアチブ重視のポッド型チームに再構築すること

この新しいチーム構造は、柔軟性、応答性、及び流動性を増すために構築されました。

  • フルタイムの常勤マーケティングスタッフは、主にシニアマーケティング・ストラテジストで構成されています。また、クリエイティブ分野でビジネスの伸長に伴い、常勤のクリエイティブ関連職が追加されています
  • 臨時スタッフには、プロダクション・アーティスト、グラフィックデザイナー、UXデザイナー、コンテンツ・ストラテジスト、校正者などが含まれます
  • 正社員化を前提とした臨時スタッフを登用をすることで、需要の高いUX人材や、新しい役職など採用困難な人材、または、フルタイム雇用に切り替える可能性が高いが、その前にスキルを確認する必要があるクリエイティブ人材を確保できます
  • 社内部署の垣根を超え法務及びコンプライアンス部門のメンバーを、マーケティング・ポッド・チームに統合しました。これにより、この規制の厳しい業界で、マーケティングの成果物を可能な限り、迅速に完成させることができます
  • 社外エージェンシーには、テンプレート化された進行中の制作案件、及びメディア購入などの専門的なマーケティング・ニーズに対応する業務を任せます。フルタイムの常勤スタッフが、連絡役としてこれらの社外エージェンシーを管理します

このように組織を再構築することで、従来より大幅に多くのコンテンツを生み出し、人件費を削減することに成功しました。

2.0、3つの原則

幅広いスキルをもった人材を雇う

個別プロジェクトにおいては、高度に専門化されたタスクをこなすため、臨時スタッフを雇ったり、外部人材を起用したくなるでしょう。しかし、二つ(あるいは三つ)のスキルを持つ常勤メンバーを揃えておくことが不可欠なのです。

例えば、いくつかのプロジェクトをこなすため、フリーランスのビデオ編集者を6か月間雇いたくなるかもしれません。しかし、ビデオの撮影と編集、スクリプトの作成、さらに長編のコンテンツやブログ投稿が可能な人材がいる場合は、その人材を多くのプロジェクトに参加させることができるのです。このような複数スキルを持つチームメンバーは、様々なプロジェクトに取り組むことができ、彼らの労働時間を常に何かしらのプロジェクト推進に充てることができます

「誰もが、新しいスキルを身につけるため、教育・トレーニングプランを立てることが必要で、これにより他の人とは違うカスタマー・エクスペリエンスを実現できるのです」

―ジェフ・ジュリアン

エンタープライズ・マーケターCEO、『Agile Marketing: Building Endurance for Your Content Marketing Team』の著者

ミックスする

正直なところ、常勤の人材が適さないポジションというものがあり、常勤ポジションの採用には時間がかかるものです。そんなときは、融通を利かせましょう。今後も、素早くかつ効率的に成果を出し続けるには、チーム形態を素早く変更し、焦点をあわせ直すことが必要です。

前述の金融会社のように、基盤として、経験を積んだ常勤の正社員からなる戦略チームは必要です。また、多数のプロジェクトでマルチに働けるチームメンバーも必要でしょう。しかし、特定のプロジェクトに参加させたい、非常に特異なスキルを持っている人材もいます。また、継続的にアウトソーシングをしなければならない幅広いニーズ、また代理店に頼らなければならないような、高度で専門化されたクリエイティブ分野のニーズもあります。多様性は「人生のスパイス」ではなく「真のアジャイル・マーケティング・チームの生命線」なのです。

人材プールを利用

アジャイルは、デリバリー問題解決のため、1990年代のテクノロジー界で初めて導入されました。世界がよりデジタル化するにつれ、素早くデリバーすることへのこだわりが減ずることはありません。アジャイル・プラクティスは組織各所で実践されるようになりました

あるプロジェクトを6週間で完成させる場合、人材を調達するのに3-4ヶ月も費やすことは出来ません。チームに適切な人材を迅速に調達したいならば「人材プール」は最適なリソースです。いつでも利用可能で、出来上がった「人材プール」は、企業が方向転換する場合、または主要な顧客が、今まで考えたこともなかったようなことを依頼してきた場合に大いに役立ちます。

このような人材プールを構築するために、人材会社を利用しましょう。そして、あなたのチームのために厳選された、熟練した人材をストックしておくのです。

機敏かつ迅速に

デジタルのスピードで迅速に作業し、新世代の顧客の期待に応えることができる「アジャイル・マーケティング・チーム」になることは、マーケティングを再考することを意味します。つまり、あなたのチームメンバーとその構造を再考・再構築することが必要なのです。 

より幅広いスキルセット、常勤スタッフと臨時スタッフの組み合わせ、また社内外の人材でチームを再構築することで、マーケティング・チームを確立し、21世紀を通じてビジネスの成長を維持できるでしょう。

もし、2019年のマーケティング、デジタル、及びクリエイティブ分野の給与について知りたい場合、あるいはAR、VR、AIなど最先端分野での新たな役職のトップ5について知りたい場合は、「2019 Salary Guideをダウンロードしてください。

[原文 AGILE 2.0: BUILD MARKETING TEAMS, NOT PROCESSES]

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