クリエイター、マーケターの転職活動に役立つ記事を、米国のAquentやVitaminaTよりピックアップし、日本語でお送りしています。今回は、職場でクリエイティブな文化を育むためのヒントをシェアします!
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長年にわたりクリエイティブの世界で仕事をしてきた私が学んだ、職場をクリエイティブな環境に変えるためのヒントトップ5をご紹介します。
リモートワークでもオフィス出社でも、クリエイティブな企業文化を育むことは可能です。社内のクリエイティビティを上げるのはもちろん、採用の際にも、クリエイティブなオフィス環境やチームがあることは、より「この人たちと一緒に働きたい」、「この会社に応募したい」と思われる魅力的なポイントです。ぜひご参考にしてみてください!
1.自信を持てる職場の雰囲気づくり
多くの企業は、ツールやテクノロジーを導入すれば、よりクリエイティブなビジネスができると考えています。しかし、それは違います。ツールの良し悪しは、それを使う”人”次第なところが大きいのです。
クリエイティビティの最大の敵は「自信喪失」です。「自分はクリエイティブだ!」と思えない人(たくさんいるのではないでしょうか)は、クリエイティブな仕事に取り組む際に、自信がなくて尻込みしてしまいます。
個人やチームがクリエイティビティを発揮できるかどうかは、職場の雰囲気が大きな役目を果たします。
もしチームメンバーが自由に想像力を発揮できていないようであれば、職場の雰囲気やオフィス環境を見直してみると良いでしょう。静まり返って殺伐とした雰囲気であれば、やはりそこから新しいアイデアや活発な意見交換は生まれにくくなってしまいますよね。
開放感があるオフィスや自由でフラットにアイデアを共有できるスペースや環境は、会社やメンバーによって意図的に作っていく必要があります。あなたの職場では、クリエイティビティを発揮できるメンバーや環境ができていますか?
「私たち(の職場)は、クリエイティブな才能に満ちている。ユニークなアイデアや考え方が生まれ、それが受け入れられ、称賛される環境である。」
と自信を持って言える、この姿勢と信念こそが、クリエイティブな職場の文化の中心にあるべきものなのです。
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2.クリエイティブ思考と論理的思考のメリハリ
仕事には2つの思考が必要です。
- 合理的でビジネス的な世界(左脳)と、
- 想像力豊かでクリエイティブな世界(右脳)
この両方を認識することも、クリエイティブなプロセスには不可欠です。
右脳の力が強く働くクリエイティブな世界では、オープンマインドな環境と、リスクを冒してでもアイデアを共有する姿勢が求められるため、特別な配慮が必要です。クリエイティブな会議の場では、誰もが「これはクリエイティブなミーティングである」ことを認識し、「この場では何を言っても判断(決めつけ)しない/されない」などのルールを用意する必要があります。
逆に予算決めや進捗会議の場では、クリエイティブな考えを発表するのに適した場ではありません。私は以前、企画会議でクライアントに素晴らしいアイデアを発表したことがありますが、発表する場所を見誤ったために失敗に終わってしまった経験があります。
クリエイティブな職についているからといって常にクリエイティブ思考でいられる訳ではありませんし、論理的思考との転換が求められることも多くあります。メリハリをつけることで頭がリフレッシュできることもあります。
3.クリエイティブを生み出すオフィス
クリエイティビティは、ただ生まれてくるものではありません。明確な活動やプロセスとして計画され、常に育成され、日常のビジネス活動として実現される必要があります。以下の例を参考に、オフィスやチームのクリエイティビティアップにチャレンジしてみましょう。
- オフィスにクリエイティブな空間や集中できるスペースを確保する
- クリエイティブ作成のための時間を設定し、スケジュールや手帳に書き入れる
- フレキシブルな勤務スタイルを導入・推奨する
- オフィスのカフェスペースやチームミーティング、イベントで、クリエイティビティの例をシェアする
- KPIにクリエイティビティを追加する
- クリエイティビティ・チャンピオンを社内で任命して、社内全体のクリエイティビティに火をつけ続ける役割を与える
- クリエイティビティを日々の習慣にし、常に頭の中にクリエイティブを入れる
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4.新しい考え方を促す「6つの帽子思考法」
クリエイティブ思考のテクニックは、適切な方法で導入すれば有用で価値のあるものです。私の考えでは、最高のテクニックは、ラテラルシンキング(水平思考)の創始者であり父であるエドワード・デ・ボノが開発したものです。
ラテラルシンキングでは、私たちは通常、「イエス/ノーの論理」の世界(合理的な商業の世界)に囚われていると言っています。「イエス/ノーの論理」の考え方にとらわれていると、新しい、独創的なアイデアを出すことはほとんど不可能です。
ラテラルシンキング・テクニックの目的は、このような考え方から人々を抜け出させることであり、デ・ボーノの「6つの帽子思考法」(Six Thinking Hats)を用いて、ブレインストーミングセッションを行うことで達成されます。
6つの帽子思考法とは:アイデアやテーマに関して、6つの違った視点(中立的・感情的・批判的・肯定的・想像的・俯瞰的)から考える思考法です。物事をいろんな角度から見ることで新しい発想を生み出したり、偏った見方で議論が平行線になるのを防ぐことができ、ラテラルシンキングのための効果的アプローチであると言えます。
5.アイデアを形にする
クリエイティブなアイデアを持つことは、誰にでもできます。1回のブレストで100、200ものアイデアが生まれることもあるかもしれません。しかし、それでは単なる漠然としたアイデアの羅列にすぎません。
優れたフォローアップは、このアイデアのリストから、現実的で実行可能な2つか3つのプロジェクトに落とし込みます。そのためには、アイデアを組み合わせ、磨き上げ、評価し、分析し、優先順位をつける必要があります。これは、山の中から金塊を見つけるようなもので、クリエイティブ・プロセスの中で最も見落とされている側面のひとつです。
アイデアを何百と生み出すだけではなく、絞り込んだプロジェクトは素早く検証することが大切です。そこではぜひアジャイル方式でアイデアやサービスを試すことに価値があります。最初のアイデアが上手くいかなくてもOKです。クリエイティブなチームでは、新しいアイデアは幾つでも生まれてきます。特にIT業界などスピードが重要な職場では、アイデアを素早くアウトプットして、作り始めましょう!
私は、人間は誰でも本来クリエイティブであると信じています。そしてオフィスやチーム環境によってクリエイティビティを大きく育み、その結果個人の成長やビジネスの成功にも繋がるのだと思います。
今回ご紹介したヒントが、リモートワークでもオフィス環境でも、あなたやあなたの職場が日々の仕事の中でよりクリエイティブになるための一助となれば幸いです。
筆者について:
Richard Sauermanは “The Brand Guy “として知られています。
オーストラリアのエージェンシー”Brandcraft”にて、ブランディングを用いて企業や人々の成功をお手伝いしています。講演でも人気が高く、ブランド、人、コミュニケーションに関するワークショップを各地のカンファレンスやセミナーで行っています。また、世界のトップ30ブランド・プロフェッショナルの第12位にも選ばれています。
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