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World Mental Health Day(世界メンタルヘルスデー)セッションイベント

By: Aquent

〜心の信頼関係を築き、ストレスに負けないメンタル作りを〜
LAST UPDATED: 2024/11/12

World Mental Health Day(世界メンタルヘルスデー)とは、メンタルヘルス問題に関する世間の意識や関心を高め、偏見や社会的差別の無い正しい知識を普及するために定められた日です。世界精神保健連盟が1992年より毎年「10月10日」をその日として定め、その後、世界保健機関(WHO)も協賛し、正式な国際デー(国際記念日)として制定されました。

今回、AQUENTでは産業医の神山ほなみ先生をお迎えして、東京、大阪、名古屋、福岡をオンラインで結び、ストレスに折れないメンタルの作り方や職場の信頼関係促進とコミュニケーションについてお話をいただき、併せてストレスへの対処法や、メンタルヘルスの維持・向上についてのディスカッションを行いました。

ストレスに折れないメンタルの作り方〜神山ほなみ先生

セッション前半では、神山先生より、株式会社ドクタートラストによるレポートをもとに、レジリエンスの考え方と実践方法についてお話いただきました。ここでは、その内容をまとめてご紹介します。

「レジリエンス」を高めるための5 つの要素

ストレスに折れない心を作るには、「レジリエンス」を高めていくことがとても重要です。

「レジリエンス」とは、人が生きている中で必ず直面するダメージに対して、回復するスピード、さらにそれを糧にしてより努力できるかを表す言葉。「精神的回復力」や「復元力」、「耐久力」とも表現され、厳しい状況においても自身のライフタスクを適応させる能力を示します。

解釈、感情のコントロール

ストレスの原因は出来事そのものではなく、その解釈にあるため、解釈を見直し、自分の感情をコントロールすることが重要になってきます。具体的には「べき思考」や「ネガティブ思考」、「白黒思考」を修正するために、根拠となる事実や逆の事実を探し、代わりの考えを見つけ、自分にとって役に立つ(ストレスにならない)考えを選ぶことが推奨されます。

良い習慣

音楽を聴いたり、口角をあげて笑ったりすると「セロトニン」などの快楽ホルモンが増加し、心の健康に寄与します。適度な運動や、美味しいものを食べることもおすすめです。また、休日は無目的に過ごさず、やりたいことを整理し、リズムよく活動することを心掛けるとよいでしょう。主観的な幸福度を高めるためには、その日に起きた良い出来事を思い出し、書き出すことが効果的です。こうしたポジティブな習慣を継続することで、個人のレジリエンスが向上することが期待されます。

人間関係

これらのサポートを通じて、心の健康を維持することが可能になります。

・情緒的サポート:家族や友人と積極的に日々のことを話していく

・道具的サポート:相談窓口などのサービスを利用する、主治医や産業医への相談をする

・情報的サポート:衛生委員会などでメンタルヘルスの情報を提供してもらう

・評価的サポート:悩みごとがあるときに、上司、先輩、同期など相談しやすい人に話を聞いてもらう

自信

自信を高めるためには、いくつかの重要な要素が必要です。

・実体験:実体験から得られた経験(いいことだけではなく、失敗したときにどのように乗り越えてきたか)

・お手本:自身のロールモデル(自分の目標とする人)がどのように乗り越えてきたかを手本にする

・励まし:上司、同僚からの励ましや良い評価

・ムード:周囲が一丸となって困難を乗り越えようとするポジティブな雰囲気は、個々のモチベーションを高める

信念

自分の仕事の内容やその影響について再評価することは重要です。自分がどのような役割を果たしているのか、他者や社会に対してどのように貢献しているのかを明確にすることで、仕事の社会的意義を理解し、モチベーションを高めることに繋がります。

【ディスカッション】どのような場面でストレスを感じますか?

人それぞれ感じること、感じ方が違う中でストレスに感じる要因も違えば、そのマネジメント方法も異なります。ここで皆さんがどのようなときにストレスを感じるのかディスカッションを行いました。

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Q.どのようなときにストレスを感じますか?

・将来の不安

・失敗の恐れ

・自分が完璧な仕事をしても思うようにいかない、うまくいかなかったとき

・自分がコントロールできないことが多いとき

・子供や家族とのコミュニケーションがうまく取れない

・他人の自分ルール

・文化の違い、プロセスの違いによるコミュニケーションの難しさ

・居心地の悪い環境(うるさい・汚い・暗い・狭い)

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【ディスカッション】ライフステージや人生の中の出来事によって、ストレスの感じ方・感じる場面は変わると思いますか?

それぞれのライフステージでストレスを感じる場面が変わっていくことはあるのではないでしょうか?結婚・出産など、何かがきっかけで感じ方が変わったそれぞれの体験を共有しました。

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Q. ライフステージによって、ストレスの感じ方・感じる場面は変わると思いますか?

・病気(体的なもの、メンタル的なもの)

・パートナーや家族がいると制限が掛けられ、どうしても妥協しなければならないとき

・子供が生まれたことによって感じ方や見方が変わった

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【ディスカッション】ストレスの効果的なマネジメント方法

どのような考え方、工夫、アクティビティ、メソッドなどを行えばストレスはたまらないのでしょうか。マネジメントの仕方について、それぞれの意見を共有しました。

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Q. ストレスを溜め込まないためにどんな工夫をしていますか?

・考え方をリフレーミングする

・セラピスト(スペシャリスト)と話してメンタル的な部分を相談する

・自分で自分のご機嫌をとる

・自分でコントロールできることと、できないことを分ける。コントロールできないことは気にしない。思い込みを手放しフラットな状態を保つ。

・推し活(自分が好きなこと、没頭できることで、ネガティブなことを忘れる)

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信頼関係のある職場づくり〜神山ほなみ先生

ここで、神山先生より「信頼関係促進とコミュニケーション作り」について、株式会社ドクタートラストによるレポートをもとに、お話をお伺いしました。

信頼関係のある職場環境の重要性

良好な職場環境を実現するためには、従業員の不安やイライラ感を解消することが不可欠で、これには、悩みを話しやすい環境や活気のある職場を整えることがとても大切になってきます。活気ある環境を作るために、個々の考えや価値観を尊重し、信頼関係を築いていきましょう。

信頼関係の構築には、良好なコミュニケーションが大切なポイントとなります。

信頼関係を促進する「雑談」のメリット

雑談をして人となりを知ると警戒心が薄れ、周囲の人達との距離感が近くなりやすくなり、互いを理解することで信頼関係も生まれやすくなります。

雑談を取り入れるメリット

・警戒心が薄れるため、仕事の相談やミスの報告など、普段言いづらいことも話せる関係になる

・雑談を多くしている職場は、結束力も高まり、業務に対してもチーム一丸となって取り組める

・安心感も生まれ、発言をしやすくなり、新たな思考や発想、業務改善のきっかけになる

セッションを通じて学んだこと・感じたこと

今回のセッションを通して、「普段のコミュニケーションや職場の雰囲気が重要であることを再認識した。」「レジリエンスという言葉を知ってはいたものの、メンタルヘルスに関連していることを理解する機会がなかったため、『しなやかさのある心』がこの仕事において非常に重要であると感じた。」「雑談が可能な職場環境がメンタルヘルスを維持するために不可欠であり、雑談ができる職場は心理的安全性が確保されているとも言えると再確認した。」といった意見が、改めて感じたこととして共有されました。

また、職場でのメンタルヘルス推進における取り組みとして、「メンター制度を導入し、異なる部門の人々がユニットを組み、仕事上の悩みをオープンに話し合う機会を設ける有用性」や、「心理的安全性を確保するための組織風土の構築と、チームビルディングの大切さ」、「レイヤーを超えた相互理解を深める取り組みが、働きやすい環境を実現するために有効だと感じた。」、「ストレスへの対処法や克服方法に関する事例の共有をしていきたい。」などの意見も出されました。

まとめ

今回のセッションでは、ストレスに折れない心「レジリエンス」を高めることの重要性と、信頼関係を構築することの大切さを学びました。自身の心が健全でなければパフォーマンスは発揮されません。より良いサービスを提供するためにも、働きやすい就業環境づくりが必要なのではないでしょうか。

AQUENTでは、これからも様々なテーマを取り上げ、学びや刺激、理解を共有することで変化のきっかけを作っていきたいと考えています。