【目次】
・アンコンシャス・バイアスとは
・採用におけるアンコンシャス・バイアスとは
・採用におけるアンコンシャス・バイアスを防ぐための対策
・アンコンシャス・バイアスをなくして、より良い採用結果を
無意識のうちに抱いてしまう偏見や先入観、つまりアンコンシャス・バイアスは、誰にでも経験があるものです。私たちは皆、感情を持つ人間であるため、バイアスを抱いてしまうことは避けられません。しかし、これを自覚しないまま放置しておくと、ステレオタイプ化や差別につながりかねません。これは職場風土に悪影響を与えるだけでなく、ビジネスにも影響を及ぼしかねません。
このブログでは、アンコンシャス・バイアスが採用活動でどのように現れるのか、そして他者を認知する方法を改善するための具体的なステップについて説明します。
Key Takeaways
- 誰でもバイアスは抱いてしまうもの。自身が気づかないうちに、相手を認知する方法や接し方に影響を与えることがあります。
- 採用においてアンコンシャス・バイアスが生じると、意思決定や行動に影響を及ぼし、意図せずして多様性と公平性を妨げる可能性があります。
- アンコンシャス・バイアスの例として、服装で候補者の能力を判断したり、ある一定の年齢以上はソーシャルメディアを使わないと決めつけたりすることが挙げられます。
- 採用におけるアンコンシャス・バイアスを理解し、対策を講じることは重要です。採用企業はバイアスを減らし、公平な環境を作るために、採用担当者の育成に取り組むべきでしょう。
アンコンシャス・バイアスとは
まず、バイアスの定義から考えてみましょう。バイアスとは、人やグループ、ものなどに対して偏った考えや感情を抱くことを意味します。例えば、出身地が同じ人に対してより親近感が湧いたり、特定のスポーツチームのジャージーを着ていたり、ステッカーを車に貼っていたりする人を見ると否定的な感情を抱くことなどが挙げられます。
私たちは、外見や能力など、目に見えるものに基づいて先入観を抱きがちです。また、人の宗教や教育、政治、セクシュアリティ、行動などが私たちのバイアスを形成することもあります。
バイアスは、私たちが感情を持った人間であるため起こる事象です。生涯を通じて、私たちは自身の経験や得た情報に基づいて世界を理解するために、脳が道筋を引いていきます。この道筋が有益な情報や指針を与えてくれる一方で、他者に対する先入観や思い込みという問題を引き起こすこともあります。多くの場合、私たちは自身の思い込みに気づくことができません。自身のバイアスを自覚しないまま物事を進めてしまうと、無意識のうちに偏見にコントロールされてしまう恐れがあります。
自分は大丈夫と思っていませんか?カーネギー・メロン大学の研究によると、人はバイアスに関して認知のギャップがあることがわかっています。言い換えれば、人は他人よりも自分の偏見に気づきにくいということです。私たちは皆、先入観や思い込みを抱いています。最初のステップは、それを認識することです。日常生活の中で自身のアンコンシャス・バイアスを積極的に見出し、自覚できるようになれば、バイアスを克服するためのさまざまな方法を学び、受け入れられるようになるでしょう。
採用におけるアンコンシャス・バイアスとは
求職活動は容易ではありません。多くの人々は、リクルーターや採用責任者に自分をアピールしたり、それ以前に、適切な履歴書、カバーレター、ポートフォリオを提示したりすることが求められます。しかし、採用側にバイアスが存在していた場合、その機会がすべての有資格者に平等に提供されるとは限りません。
採用時のアンコンシャス・バイアスは、採用プロセスにおける認識の形成に大きな影響を与えます。候補者の評価や、リクルーターによる人材の紹介方法を左右する可能性があります。より公平な採用を促進するためには、自分の潜在的な偏見について振り返り、それが無意識のうちに意思決定にどのような影響を与えているかを考えることが重要です。
また同時に、リクルーターと採用責任者の双方が、自身の潜在的な先入観を認識し、それに対処するための適切なツールとトレーニングを身につけることが極めて重要です。専門的な教育や研修プログラムを活用することで、リクルーターと採用責任者のバイアスを最小限に抑え、最も有能な候補者に集中できるようになるでしょう。これは採用の様々な段階で起こりうるバイアスを完全になくすことはできませんが、より公平で包括的なプロセスを構築するための有意義な一歩となり得ます。
以下に、いくつかアンコンシャス・バイアスの例を挙げています:
- ジェンダー・バイアス: 認識された性別や性自認に基づく、個人に対する先入観。
- 年齢に関するバイアス:年齢や世代に基づく、個人に対する思い込み。
- 人種に関するバイアス: 人種や民族に基づく、個人に対する先入観。
- 宗教に関するバイアス:宗教的慣習や信条に基づいて、個人の能力や価値観を決めつけたり、判断したりする。
- 障害に関するバイアス:身体的または精神的障害を持つ個人の能力を過小評価したり、誤って判断したりする。
- 妊娠に関するバイアス:妊娠している社員や候補者の都合や優先順位に関する思い込みにより、その献身を疑う。
- 配偶者の有無に関するバイアス: 独身、既婚、離婚しているかによって、個人の信頼性や柔軟性を判断する。
たいていの場合、アンコンシャス・バイアスを抱いている人々に悪意はありません。しかし、人材の公平性や職場の多様性に大きな影響を及ぼします。こうした偏見は、最終的には組織の成長を妨げ、イノベーションを低下させ、多様な人材へのアクセスを制限する可能性があるのです。
こうした問題を反映した、採用におけるアンコンシャス・バイアスの例をいくつか紹介します:
- 外国人風の名前を持つ候補者は、一般的な名前の候補者よりも適性が低いとみなしてしまう。
- 自己主張の強さに関する固定観念から、リーダーシップを伴う役割には男性の方が適していると思い込んでしまう。
- 将来出産休暇を取るかもしれないという懸念から、40歳未満の女性の採用をためらってしまう。
- 年配の候補者には職務に必要なテクノロジーに関する知識がないと考えてしまう。
- 特定の人種の候補者を、その組織における文化的適合性についての思い込みから見過ごしてしまう。
- 身体障害のある候補者を、仕事を効果的にこなせないと判断して除外してしまう。
- 独身の候補者よりも既婚の候補者の方が安定している、あるいは信頼できると考え、既婚の候補者を優遇してしまう。
アンコンシャス・バイアスは、誰をリクルートするか、誰を紹介するか、面接で候補者をどのように評価するかなど、採用プロセスのあらゆる段階に影響を及ぼします。こうしたバイアスを認識し、研修に投資することで、より包括的で公平な採用プロセスを構築し、最終的に組織を成功へと導くことができルでしょう。
採用におけるアンコンシャス・バイアスを防ぐための対策
採用責任者をはじめとする職場のリーダーは、新しい人材を採用する際にアンコンシャス・バイアスへの対策を講じることが重要です。ここでは、採用におけるアンコンシャス・バイアスを減らすために、採用担当者が自分の行動を見直すための方法をいくつか紹介します。
イメージを反転させる
次に誰かと初めて会う予定があるとき(それが医者であれ、配管工であれ、求職者であれ)、その人がどんな顔をしていると思うか、想像してみてください。その次に、そのイメージを反転させます。もしかしたら、その人は思っているよりも背が高かったり、性別が違ったり、目に見える障害があったりするかもしれません。このように、異なる人物を思い描く訓練は、アンコンシャス・バイアスに気づき、最終的にはそれを軽減するのに役立ちます。
カルチャーフィットの先を見据える
職場の風土は重要ですが、新入社員を採用する際には、文化的な適合性以外にも目を向けることを忘れてはなりません。Fast Companyによると、カルチャーフィットのための採用は多様性の欠如を助長します。その代わりに、異なる視点や背景が、単に文化に溶け込むのではなく、どのように新たな形で文化に付加価値を与えることができるかを考えましょう。
脳を鍛える
自分のアンコンシャス・バイアスと、実生活でそれがどのように現れるかを知るためにテストを受けてみるのも良いでしょう(こちらは英語のテストですが、オンラインで受けられます)。そうすれば、パターンを認識し、より注意深い判断ができるようになります。
上記のように、採用プロセスにおけるアンコンシャス・バイアスを軽減する努力、そして日常的に組織内で対策を講じる努力は、オンボーディングと定着の両方に良い影響を与えます。
アンコンシャス・バイアスをなくして、より良い採用結果を
アンコンシャス・バイアスが私たちの行動を左右するようになると、ステレオタイプや差別のような意図しない結果を招きかねません。アンコンシャス・バイアスを軽減することは、公平で多様な職場の育成に不可欠です。
誰にでも先入観や思い込みはありますが、採用に関わる担当者たちは自分のバイアスを認識し、対処するためのステップを踏むことで、自身の思考パターンを変えていくことができます。まず、バイアスは人間の本性の一部であることを理解しましょう。そこから、計画を立てるのです。偏った行動に気づき、それを改める方法を学ぶために、研修プログラムやオンライン診断などの外部支援を活用しましょう。バイアスチェックのためのソフトウェアやツールに投資したり、十分なトレーニングを受けた採用エージェントと協業したりするのも良いでしょう。
人材採用におけるアンコンシャス・バイアスに対策を講じることで、採用責任者は無意識の嗜好ではなく、実力や資質に基づいてより自信を持って採用の判断を下することができるようになります。
採用に関するご相談は、お気軽にご連絡ください。
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